大地震の発生による津波や土砂災害を想定した全町一斉の避難訓練が、11月6日に大磯町で行われた。町民が「いっとき避難場所」へ避難して経路や時間を確認したほか、現地の状況を町へ伝える情報受伝達訓練も実施。ワクチン接種会場でもシェイクアウト(防災行動訓練)が行われた。また同日に台町ら3地区による防災に関するリモート会議も開かれた。
新型コロナの影響で、2年ぶりに開催されたこの訓練。大人数が参加することから今回も避難訓練を見合わせて、シェイクアウトと情報受伝達訓練のみ実施する地区もあるなど判断が分かれた。
訓練は午前9時に相模トラフ沿いを震源とするマグニチュード8・2、震度6強の大規模な地震が発生し、直後に大津波警報が放送される状況を想定。参加者は家族や近所に避難を呼びかけながら近くのいっとき避難場所へ逃げ込み、安全を確保した。情報受伝達訓練では、町が公的施設に配布したタブレット端末を使って地区長らが避難者数を報告するとともに、この秋に導入された写真投稿機能を使って現地の様子を視覚的にも伝えた。またワクチン集団接種を実施していた国府小学校の体育館でも医師や接種者らがシェイクアウトを行っている。
大磯港でも港関係者や消防団らが参加する津波避難訓練を実施。大津波警報の放送後、津波の到達予想時間までに町職員が港内や海岸にいる人に高台への避難を呼びかけ、津波避難タワーから津波フラッグを振って、放送が聞こえない人にも津波の来襲を伝えた。高潮に備え設置されている防潮門12門のうち電動化されている門扉の動作確認も行われ、停電で非常用電源も働かない状況を想定した手動の開閉訓練も実施した。町は「有事の行動や機器の操作などを参加者で共有することができた。今後は想定を変えながら定期的に訓練を実施することで備えていきたい」と話した。
共助力向上へ
同日、オンラインで開かれた防災ミーティングには、台町・西小磯東・西小磯西から15人以上が参加した。8月に配布された新しい土砂災害・洪水ハザードマップの読み方や旧版との変更点について町危機管理課職員から説明を受けたほか、馬場地区自主防災会の伊藤勇さんから同会の取り組みについて話を聞いた。伊藤さんは、活動に継続性を持たせるため自治会人事から自主防災会を独立させていることや、地区の行事の際に啓発コーナーを設けて防災意識向上に取り組んでいることなどを紹介。「日中の防災力向上や避難所運営には女性の参加が不可欠」「地区内でお互いに顔が見えるような体制づくりが大切」と共助力向上についてアドバイスした。
また有事に避難所となる大磯中学校体育館のトイレの改修状況についても協議し「段差や個室の広さなどバリアフリーが十分でなく、耐震化工事も必要。早期改善のため教育委員会に要望していく」と結論付けた。
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