学校教育の授業実践に優れ、模範とすべき教員を表彰する「神奈川県優秀授業実践教員表彰」が発表され、秦野市立鶴巻中学校の後小路(うしろこうじ)大志(ひろし)教諭(34)と、県立秦野養護学校の北邨(きたむら)健太郎教諭(38)が表彰される。表彰式は11月20日(木)。
学びと笑いが共存する時間
後小路教諭の表彰理由は「学習意欲を高め、流れやポイントがわかるよう工夫した視聴覚資料を開発し、小グループでの話し合いで言語活動の充実に向けた授業を実践している」。
科目は保健体育。後小路教諭の保健の授業は最初に教科書を広げない。代わりにパワーポイントで単元毎に独自に制作したスライドで授業を展開している。
教科書の説明図ではイメージしづらいような身体のしくみや応急処置など、動くイラスト、文字、写真に加え効果音もつけ、視聴覚に訴える。時には理解を深めるためクイズ形式も含めた面白味のあるスライドだ。
授業には生徒の頭に自然と入るようにするための適度な「笑いが必要」だという。「生徒が興味を持ち、面白いと思ってくれる方法で学びを定着させたい。何より、板書中は生徒が見えないが、これなら表情を見て授業ができる」と視聴覚資料の利点と生徒と向き合う姿勢を語る。
「先生が一方的に話すより、生徒が意見を話す授業の方が生徒も楽しいはず」と話す後小路教諭。発言はまず生徒が自分の意見を書き、それをもとに班での話し合う。大勢の前では発言が苦手な生徒の意見も汲み取りたいと考えたやり方だ。
「どの授業も目的は同じだが、方法は1つではない。ならば生徒が楽しい方がいい」といい、「学びと笑いが共存し印象に残る時間を目指し、卒業後にも活かせるものを」と常日頃考えている。表彰に「私よりも評価されるべきは生徒たち。今後も刺激のある授業をしていきたい」と話した。
全身の感覚で味わう授業
北邨教諭は「創作活動に関わる喜びを体験させ、児童・生徒にとって楽しく見通しの持てる授業を実践」が表彰理由だ。
足柄下郡で小学校教諭を3年務めたが、「今よりもっと個に焦点を当てて指導したい」との思いで養護学校に異動願いを出した。
昨年、肢体に障がいのある等の重度重複教育部門の小学生から高校生を受け持った。授業の中で丸めた新聞紙を床一面に敷き詰め、児童生徒7、8人が入れる大きな浴槽を模したものを制作。新聞紙に包まれる暖かさや、カサカサというこすれる音、独特の匂いなどを感覚で味わう内容だ。
以前は子ども用のプールで行っていたため、1人ずつしか入れなかった。「どうしたら子どもたちの心に動きがあるだろう」と考え、規模を大きくし皆で一緒に入り、同時に感覚を味わうことができた。最初は身構えていた子も自然と微笑んだり、自分から入ってくれたりする子もいたという。
「色んなところから感触を感じて欲しかった」と話す北邨教諭。児童生徒の誰もが持つ快・不快や好き・嫌いの感情を踏まえ、普段は「活動が少しでも楽しく、良い時間であったと思えるように」と考えて授業をしている。「良き先輩教諭が沢山いるのに私が表彰していただけるなんて」と謙遜。「子どもは花を咲かせる種のような存在。子どもたちのために自分は安心出来る温かい土でありたい」と今後の抱負を話した。
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