自然観察施設くずはの家(秦野市曽屋1137)の敷地内で6月13日、小型のチョウ「オオチャバネセセリ」が飛翔する姿が約30年ぶりに確認された。発見者は、同施設で自然観察ボランティアとして活動する「えのきの会昆虫分科会」の堀口弘之さん(75・南が丘)ら会員。
えのきの会昆虫分科会の会員らでくずはの家の敷地内に生息するチョウを調査していたこの日、採集した中に見慣れない模様を持つ一匹がいることに気が付いた。市内のチョウを専門に研究する堀口さんは、その見た目がよく見られるチョウ「イチモンジセセリ」と酷似していたが、「まさか、オオチャバネセセリではないだろう」と思ったという。
羽の模様をよく確認するため自宅へ持ち帰り観察した堀口さんは、オオチャバネセセリと確信。約30年ぶりに市内で姿を確認したといい、「くずはの家のスタッフさんの環境保全のおかげ。発見は本当に興奮した」と笑顔で振り返る。
堀口さんは、オオチャバネセセリの自然死を待って、標本の制作を開始。完成後は、秦野市に寄贈する予定だという。
「チョウのことなら市内ナンバー1」
中学生の頃から生物部で昆虫採集をしてきた堀口さん。その頃はハチをメーンに採集しており、制作した標本は当時住んでいた都内の展覧会で入賞するほどの腕前だったという。
チョウの魅力に取り付かれたのは1970年頃から。県内で活動する同好会やチョウを研究する学会などに所属し、知識を深めていった。専門家は全国に多くいるため、堀口さんが目指したのは「秦野市内のチョウに1番詳しい人間になる」ことだった。約30年前から市内のチョウを中心に採集を始め、コレクションは84種類になる。これらも全て秦野市に寄贈済みという。
30年程前は市内の各地で見ることができたというオオチャバネセセリ。特に珍しくないことから採集せずにいたという。それからすぐに見つけることが困難になり、現在まで発見することができなかった。
堀口さんはこれからもチョウを追い続けるといい、「まだまだ市内では未発見のチョウが見つかると思うよ」と笑顔を見せた。
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