秦野市千村にある生き物の里(日立ITエコ実験村)で保全活動等を行っている千村ネイチャー倶楽部(谷光清会長・29人)の有志が手作りの水力発電設備を製作、同里で9月12日に開所式を行った。発電した電力は、おもに災害時の非常用電源として使用される。
千村生き物の里には昨年9月、市南地区のボランティア団体「秦野一八会(ひばのかい)」が設立10周年を記念して、学習教材向けの水力発電機を設置している。この時、千村は八重桜が有名なことから「さくら1号」と命名。今回新たに設置された水力発電設備は「さくら2号」と名付けられた。
2号機は、1号機と同じく同里の湧水を利用して発電する。3本ある水路からパイプを通して取水し、落差を利用して勢いよくブレードに水流を当て、その反動でローターを回転させ発電させるシステム。同部メンバーで、会社員時代に技術者として回路設計等に携わっていた大森哲男さんとコンピューター電源等の検査をしていた尾崎文隆さんがメーン製作者となり、約半年かけて手作りした。
発電した電力はバッテリーに蓄えられ、おもに災害時の非常用電源として使用される予定。1日で約5台分の携帯電話をフル充電できる程の発電量だといい、同発電設備には充電用のケーブルも用意されている。また、AC100V用のコンセントもあり、それを利用することも可能だという。使用時は、同倶楽部のメンバーが立ち会う。
谷会長は、「1号機の反響がとても大きかった。里地里山という地域資源の重要性が認識されてきたと思う。2号機も完成し、さらに多くの方に関心を持ってもらいたい」と話した。
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