竹本駒之助さん 文化庁芸術祭賞で大賞 声で魅せる女流義太夫
秦野市南矢名在住で人間国宝(義太夫節浄瑠璃)の竹本駒之助さん(80・本名/上田悦子さん)が、第70回文化庁芸術祭賞の音楽部門で大賞を受賞した。2月8日、明治記念館(東京都)で表彰式が行われた。
文化庁芸術祭賞とは、日本の芸術文化の振興を目的に毎年開催している文化庁芸術祭に参加した、演劇や大衆芸能、テレビドラマやレコードなどで優れた成果を残した作品や演者に贈られる賞。
今年度は、2015年10月2日から11月10日に関東・関西で公演された演劇や大衆芸能、10月1日から11月30日に放送されたテレビドラマなどが対象。
竹本さんは41件が参加した音楽部門(関東参加公演の部)で、最高賞の大賞に輝いた。対象となった公演は、KAAT(カート)神奈川芸術劇場で行われた竹本駒之助公演第5弾「鎌倉三代記」八ツ目切「三浦別の段」の演奏。竹本さんは三味線の伴奏に合わせて物語を語る浄瑠璃の一種「義太夫節」の語り手として、登場人物の心情や人物像を多彩な声の表現力と明瞭な発音によって「聴衆の心を物語の世界に力強く引き込んだ」と評価された。さらに通常1人が演じる時間は30分程のところ、今公演で竹本さんは70分間を1人で語りきった。これは義太夫史上でも半世紀ぶりに近い大きな挑戦だったという。
同芸術祭にはKAATが申し込んだため、竹本さんにとって思ってもいない受賞だった。同演目は大河ドラマで話題の真田幸村に関係しているため、竹本さんは「タイミングが良かったからでは」と謙虚だ。「驕らずに一層身を引き締めていきたい」と話した。
芸の道に生き伝承を目指す
1935年、兵庫県淡路島に生まれた。淡路島は人形浄瑠璃発祥の地と言われており、幼少期から芸の世界に触れていたという。
戦後浄瑠璃が衰退していく中、中学校で義太夫節クラブに入ったことをきっかけに、母親の勧めにより中学3年の終わりには内弟子として大阪の師匠に師事。毎日泣いていたという厳しい修行時代だったが、「今振り返ると幸せ。師匠たちのおかげで、浄瑠璃の道を考えていこうと目覚めることができた」と感謝した。
その後女流義太夫として活躍を続け、1999年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
現在は全国的に公演を行いながら、浄瑠璃の伝承を目的とした活動にも注力している。秦野市立広畑小学校では、児童らが浄瑠璃を体験するワークショップを毎年開催。「本物の伝統芸能に触れてもらえたら」と思いを口にした。
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