県経営者福祉振興財団の「かながわ産業Navi大賞」が7月26日に発表され、市内横野の株式会社菜の花商事(平賀英樹代表取締役社長・52)が奨励賞を受賞した。
この賞は県内中小企業の発展とビジネスチャンス創出の支援を目的に開催された。同社の開発した「エマージュバーナー」が評価の対象となった。
この製品は炙り料理などに使うバーナー。先端に同社が独自に開発した特殊素材が使用されている。平賀さんは「通常のガスバーナーで炙った際に出るガス臭さなどがなくなり、食材の旨みや香りを引き出すことができる」と特徴を話す。強い火力で食材の外側を炙りながら中はレアに保てるという。
食通の平賀さんが、より美味しく炙り料理が食べられないかと試行錯誤し、たどり着いた。2年前に発売されると、ミシュラン三ツ星レストランや、地元の飲食店などでも使われ始めた。すでにフランスやアメリカ、タイなど海外の飲食店にも販売した実績を持つ。はだのブランド認証品にも選ばれており、現在国際特許を出願中。
2007年に同氏が創業した菜の花商事は、金属やプラスチック、ゴムなどの加工を手掛けている。例えば食品加工機械の部品など、顧客の要望に応じた製品を製造し、供給できるのが強み。
「菜の花商事」はアウトドア好きでバーベキューなどを楽しむ平賀さんが、ヤビツ峠へ向かう途中にある菜の花台に因んで名付けた。「秦野が好きなので。地元から技術力の高さを発信したい」と話す。同製品はシェフなどがメインユーザーだが、将来的には一般の主婦などでも気軽に炙り料理が楽しめるようなコンパクト化した製品の開発も目指す。「これからもオンリーワンのものづくりにこだわる」と話した。
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