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フードバンクはだの 広がる取り組みと見えた課題

コミュニティ社会

掲載号:2021年6月18日号

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支援者や市民から集まる食料の一部
支援者や市民から集まる食料の一部

 南相馬子ども保養プロジェクト(PJ)が運営している「フードバンクはだの」が開始から10カ月で窓口を広げ、利用者も増えている。活動を通じ見えてきた現状と今後を、発起人である福嶋秀樹さんに取材した。

 この取り組みは、本当に困っている人のもとに食材を届けようと昨年8月に福嶋さんが始めた。不動産業で借主の生活が見えていた同氏は、コロナ禍でバイトを失い1日1食で過ごす学生を見て危機感を覚えたという。

 大根小・中学校と秦野高校を卒業し、自身も幼少期に近所の人たちのおすそ分けに助けられた経験を持つ福嶋さんは「今こそ地元に恩を返したい」と、保養プロジェクトの支援者に協力を求め食材を調達。同プロジェクトの仲間の協力で窓口を広げていった。

活動で知った「貧困」の状況

 当初の計画では今年の5〜6月頃の窓口増設を予定していたが、新型コロナに終息の兆しが見えないため年明け早々、計画を前倒しに。2月に渋沢駅エリアの味乃大久保で、翌3月に秦野駅エリアのグリーングレインで窓口を開設した。

 自身の不動産会社を窓口に東海大学前駅・鶴巻温泉駅エリアで始めた時は20人ほどだった利用者は、窓口が増え認知度も上がったことで現在は150人まで増加。今は学生だけでなく一人親家庭なども訪れている。

 「10カ月間で、思う以上に困っている人がいることがわかった」と福嶋さん。「コロナ禍でバイトがなく親も大変で頼れないという学生が多い。一方で、一人親等の貧困はコロナ禍で顕在化したのでは」と見解を語る。

 また、秦野に来たばかりで友人がいない、食べ物に困っていると周りに言いづらい等の理由による孤立化も問題の一つ。「見た目で生活が苦しいとわかる人はあまりいないが、困っている人はスマホや新聞など情報を入手する術がないことが多い。また、人目に付く公の場は支援を求めづらいという心情があることも初めて知った」と話す。

 福嶋さんは「この状況が続けば支援が必要な人が増える可能性がある」と、危機感を募らせる。記事等を見て市内の食材提供者も増えたが、米の確保が喫緊の課題で現状は200人程が受入れの限度。今は大手企業との提携も模索している。

 「食の支援も突き詰めれば収入の問題に行き当たる。生活に困っている人が職、つまり収入を得られるシステムが作れないか考えています」。今後は「食」と「職」、2本の柱による支援を市内に広げる方法を探る。
 

「フードバンクはだの」の詳細はこちら
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