8月に入り気温が30℃を超える日もあるなど、真夏日が続いている。市内の熱中症による救急搬送件数は7月末日の時点で昨年同時期を上回っており、秦野市消防署では熱中症への注意を呼びかけている。
同消防署消防管理課によると、4月26日から7月31日までの熱中症とみられる症状で救急搬送された人数は55人。昨年同時期より、36人多いという。その理由として同課は「昨年は梅雨が長かったが、今年は短かった影響があるのでは」と分析する。
熱中症の搬送者のうち75歳以上が27人で、全体の約半数を占めている。重症者は2人で、中等症者が22人、軽症者は31人だった。高齢者は発汗機能などが低下しているために熱中症に気づきにくいことも多いといい、「室内にいるときも、エアコンなどを活用して適切な温度管理と、こまめな換気をして欲しい」と呼びかける。
昨年に続くコロナ禍では、マスクを使用している場合も注意が必要だ。マスクをつけた状態だと体内に熱がこもりやすくなるほか、マスク内の湿度が高くなりのどの渇きを感じにくくなるという。運動中に搬送されたケースもあったといい、「屋外で人との距離が2メートル以上確保できる場合は適宜マスクをはずし、のどが渇いていなくても水分・塩分補給を。夕立の後は湿度が一気に上がるので特に意識して」と話す。
さらに今年は自動車内で発症したケースもあり、「外気温度が30℃を超えている場合、車はエアコンをつけない状態だと50℃以上まで上がることがあるので注意が必要」と指摘する。
警戒アラートの活用を
熱中症予防の1つとして、環境省と気象庁が発表する「熱中症警戒アラート」の活用がある。
これは観測地点で一定以上の「暑さ指数」が予測された際、前日の午後5時頃と当日の午前5時頃に発表される。秦野市では緊急情報メール配信システムと市公式LINEで、発表があった際に配信している。
また「熱中症予防声かけプロジェクト」として市内公共施設39カ所と協力店舗442カ所で9月30日(木)まで、暑さから身を守る一時休憩場所「クールシェルター」を提供している。同課は「熱中症は命にかかわることがある。一人ひとりが知識を持って行動することが大切」とし、「熱中症とみられる症状が出たときは首筋やわきの下、太ももの付け根などを保冷剤や濡れタオルで冷やしてください。正常な反応でないときや全身がけいれんを起こした場合などは、すぐに119番通報をして救急車を呼んで欲しい」と話している。
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