高橋昇さん(立野台在住) 嶽神社にお囃子太鼓寄贈 「子どもたちに伝承を」
秦野市立野台在住の高橋昇さん(71)が、お囃子太鼓一式を地元の嶽(たけ)神社(西大竹281の1)に寄贈した。同社拝殿で3月22日、お披露目を兼ねた奉納太鼓が地域の子どもたちや西大竹太鼓連(菊地佐助会長)のメンバーによって演奏され、力強い音が境内に響き渡った。
同太鼓連は、20代から80代までの約30人が活動しており、地域の子どもたちに祭囃子などを指導している。高橋さんは現在も太鼓連に籍を置き、会長を務めたこともある。
同社にはすでにお囃子太鼓一式が揃っていたが、もう一式欲しいとの声が以前からあったという。また、高橋さんの孫も太鼓を習っていることから、「子どもたちにお囃子の伝承をしてほしい。太鼓が世代をつなぐ役目になれば」と寄贈を思い立ったという。
太鼓連のメンバーに寄贈の相談をしたのは昨年12月上旬。思いを知ったメンバーはすぐさま同社の大庭忠衛宮総代に話を通し、高橋さんの代わりに太鼓制作を注文した。
太鼓の引き取りは、週末の積雪が残る2月16日の大安。皮張りなど太鼓の完成に立ち会うために、注文した海老名市にある太鼓店にメンバーが出向いた。一つひとつ皮にビスが留められるのを見届け、大太鼓1つと小太鼓2つから構成されるお囃子太鼓一式を受け取った。
その後、3月22日に出雲大社相模分祠(平沢1221・草山清和宮司)でお祓いが行われ、奉納となった。
運ばれてきた真新しい太鼓を前に、子どもたちからは自然と笑みがこぼれた。奉納太鼓の演奏をした高橋幸利君(12・西大竹在住)は、「いつもと違う音。皮が張っていて音が響き渡る感じ。バチの弾みも違って、叩いていて楽しかった」と話した。
高橋さんは当日、太鼓の音を聞くことはできなかったが、その時の子どもたちの様子をメンバーから聞き、とても喜んでいたという。菊地会長は、「とても感謝している。末永く大切に使わせていただく」と述べた。
今回の寄贈で、嶽神社にはお囃子太鼓が2式揃った。4月12日(土)の例大祭に向けて、子どもたちが練習に励んでいる。
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