菩提地域の歴史的文化遺産や伝統・風習を記録・継承している菩提滝の沢保存会(杉崎正二会長)の役員らが「菩提の不動尊や神社などを散策してもらおう」と、2013年から行ってきた案内看板作りや林道の整備が2014年12月下旬にほぼ完了した。1月中に「菩提5所神巡(しょがみめぐ)り案内書」を発行する。
菩提地域には集落単位でつくられた小さな神社や石像が数多く残り、それにちなんだ信仰行事も受け継がれている。「家内安全と子宝にご利益がある」と伝えられる滝の沢不動尊の大祭祝宴や、坊(ぼう)集落の山神の講などにも住民が集う。
しかし、住民の高齢化や、農林業人口の減少などを受け、風習や文化が忘れられていく現状もあるという。危機感を覚えた菩提自治会は、文化遺産や風習を後世に継承していこうと、自治会の一組織として「菩提滝の沢保存会」を1985年に発足。文化遺産を紹介した会報を自治会員などに配布するほか、毎年3、4、8月には観光客を迎えるため、参道の草取りや掃除を実施。菩提生産森林組合と共に「葉の泉」の管理も行っているという。
地域の活性化を目指して
杉崎会長によれば、同会と自治会は2011年、菩提地域の活性化や観光化を目指し、農産物直売所と公園が融合したような施設の整備を市に相談していた。2年間に渡り検討を重ねたものの、農地法の関係上、最終的に断念。そこで会員らが知恵をしぼり、今回の「菩提5所神巡り」へ計画を転換したという。
観光客が山間部に点在する神仏へ足を運びたくなるようにするのがこの計画の狙い。会議を繰り返し、5つの神社、仏閣を中心に地域の歴史的な見どころをほぼ1日で気軽に散策できるコースを考案した。訪れた人が迷わず安全に辿りつけるよう、2014年夏から看板作りや参道の整備を始め、各所に歴史的な解説を綴った表札も立てた。
参道整備や看板作りを行ったのは、同会の役員9人。そのうちの1人、古谷信行さんは、「最初は獣道のような場所もあった」と苦労を振り返る。自動車で近くまで行けるところばかりだが、中には車の通れない狭い道や吊り橋を通る箇所もある。70歳以上の役員も山林から切り出した丸太や板を抱え山道を登ったという。杉崎会長は「手弁当で協力してくれた会員たちのおかげ。今後の維持管理などについては実費の補助等を市に相談していく」と話す。
完成した案内書は、A4サイズの3つ折り。各所の説明と地図が裏表になっている。発行部数は2000部を予定しており、公民館や学校、公共施設のほか、菩提自治会に加盟する約650世帯にも配布される。杉崎会長は「菩提の人たちが残してきた神社を多くの人に巡ってほしい」と話す。
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