鶴巻小学校5年2組の児童(31人)は10月14日、総合学習の一環として鶴巻地区を流れる善波川を訪れ、この川に生息する生物などを採集。その一部を学校に持ち帰り、同小学校の池に放した。
環境テーマにこれまで学習
同校の5年生は「環境」をテーマに、今年度1年間総合学習に取り組んでいる。その中で2組の児童は「鶴巻地区は川や田んぼがあり自然が豊かな一方、学校では魚や鳥など生き物をあまり飼育していない」ことに着目。4年生の理科で生物について学んでいたこともあり、鶴巻地区の生き物について調査することとした。夏休み明けの2学期に入ると、それまで手入れが行き届かず、魚などの生物を飼育していなかった外の池を清掃。水草などを入れて環境を整えこの日を迎えた。
網を手に川に入り魚とりに挑戦
児童らは手に網を持ち、学校から川まで歩いて向かった。途中川の上から水面をのぞき込むと、小さな魚影が素早く動き回る様子が見られ、子どもたちは「何かいる」「魚がいっぱい」など声を上げた。川に入って網で草の中を探るなどクラスメートと協力しながら網をすくうと、いろいろな生物が入り、児童からは「エビがとれたよ」「ヤゴだよ」といった歓声が上がった。
この日は地域の市民や、くずはの家のスタッフが生物採集に協力。動きが素早い魚などは網でとらえるのは難しく、子どもたちは苦戦していたが、長年金目川周辺でアユなどの魚類調査に携わっていた永尾貴一さんが投網をもって登場。永尾さんは、児童らが見守る中で勢いよく投網を投げると、網は川いっぱいにきれいに広がった。慎重に網を狭めていくと銀のうろこがキラリと光り、魚が網にかかった様子が見られると、児童からは「入っているよ」「魚がいるよ」と喜ぶ声が上がった。
一部持ち帰り、学校の池で飼育へ
この日児童らは、オイカワ、アブラハヤ、ホトケドジョウなど魚類のほかサワガニ、カワリヌマエビ、アメリカザリガニ、ゲンゴロウ、様々なトンボのヤゴ、カワニナ他、多くの種類の生物を捕まえることに成功した。中でも県の準絶滅危惧種に指定されている貴重な魚類の「カマツカ」を児童が発見するなど、鶴巻地区の自然の豊かさを知る機会となった。
捕まえた生物の中からくずはの家のスタッフが、学校での飼育に相応しいものを選別し、学校に持ち帰り、児童が丁寧に池に放した。担任の関ひろみ教諭は「児童たちは廃材を活用して看板を作成したり工夫しながら、今回整備した環境がずっと持続できるように取り組む。整備を進めてビオトープのようにしたいと、子どもたちは意欲を持っている」と話す。
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