120年前の横須賀本港 彩色写真でよみがえる 市内収集家が提供 近代化ひも解く歴史資料
120年前の横須賀造船所とその周辺風景を撮影した彩色写真が、横須賀市自然・人文博物館とヴェルニー記念館で公開されている。市内在住の男性が昨年の秋に提供したもの。精巧な彩色はカラー写真さながら。貴重な資料の展示は訪れた歴史愛好家らを驚かせている。
彩色写真とはカラー写真が誕生する以前の技術で、モノクロ写真のネガに絵師が絵筆などで精巧に色づけしたもの。今回、個人収集家の男性が提供したのは3枚。2枚で一対となる横須賀造船所のパノラマ写真と横須賀造船所の遠景写真だ。明治時代にイギリスへと渡った記念アルバムの中に収められていた写真(鶏卵紙写真)の一部で、保存状態も極めて良好。男性は「自分の手元に留めて置くだけではもったいない」と同博物館に提供を申し出たという。
同博物館の菊地勝広学芸員に解説を求めると「写っている入港船や係留船から時代を特定すると日清戦争後の1894年から1900年ごろの一風景だと推察できる」そうだ。今と比較すると失われた建物や開発されている場所もあるが、現存する江戸・明治期の護岸はこの写真の中にも写り込んでいる。菊地さんは「横須賀の源流を探ることができる貴重な資料」と話している。
同博物館では、この写真の撮影者や時代背景、写っている艦船や建築物に関する情報を求めている。多くの目に触れることで新たな歴史発見を期待している。情報の提供は同博物館【電話】046(824)3688まで。
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