市内西地区から都心方面、横須賀方面に向かう交通アクセスの利便性向上を求める声が広がっている。交通網整備は喫緊の課題とされており、バス路線の新設に向けた要望活動も行われている。
慢性的な渋滞もあり、国道134号線を中心とした交通網の整備が喫緊課題となっている西地区。昨年12月には、平作方面に向かう坂本芦名線・大楠山入口交差点の拡幅工事が終了。さらに先月、佐島の丘通り線が開通したことで、佐島地区から中央地区への所要時間も短縮している。しかし、同地区は最寄りの鉄道駅まで遠く、依然として、公共交通機関の利便性向上が求められている。
市中心部へ向かう現状の直通バス路線は、大楠芦名口・市民病院、長井から衣笠十字路・JR横須賀駅に向かう路線のみで、県道26号線(横須賀三崎線)を通るルートに集中。また、西地区からはJR逗子駅に向かう路線もあるが、休日などの渋滞時には到着まで1時間以上かかることもあるという。
そこで、西地区の町内会・自治会では、市中心部への新路線開設に向けた要望活動を始めている。具体的には、市民病院からなぎさの丘を経由し、坂本芦名線を使って京急汐入駅に至る路線を要望している。
署名活動も視野
市議会でも会派を越えて、ルート新設の声が上がる。先月26日の市議会定例会で嘉山淳平議員(無所属クラブ)は「自家用車での交通アクセスは向上されつつあるが、現状のバス路線は増便される予定もない。市民病院と汐入駅を結ぶことができれば、市街地への利便性が高くなるだけでなく、市民病院へのルートも強化される」と発言。長谷川昇議員(研政)も「現実的なプランとして、検討を進めてほしい」と強く要請した。吉田雄人市長は「西地区だけでなく汐入・坂本地区からの双方の利便性も高まる」と答え、今後もバス会社との連絡会議などで、改めて要望していく姿勢を示した。地元町内会では、市とバス会社に対する請願・要望の署名活動も検討中。実現すれば、西地区から市中心部への所要時間が大幅に短縮できると期待する。
渋滞解消に新システム
一方で、横須賀市は三浦市・逗子市・葉山町の3市1町とともに「三浦半島生活ネットワーク計画協議会」を設置。国土交通省の担当支局、京浜急行バス株式会社も参画し、既存路線の渋滞解消も含めた地域交通改善の事業計画を進めている。事業の1つとして、導入が進められているのは「公共車両優先システム(PTPS)」。渋滞の多いバス路線において、定時運行を目的に信号停止回数を減少させることで、遅延時間の縮小を図るもの。来年度には、国道134号線の林交差点─長柄間で稼働する予定。他には、GPSを用いた位置情報提供(バスロケーションシステム)も順次導入されていく見込みだ。
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