在日米海軍横須賀基地での任務を終えた原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)に代わって、後継艦が今秋にも配備されることを受けて、市民グループが空母交代をテーマにした意見集約をスタートさせた。「市民アクション」と銘打って1万人を目標にアンケートを集める。
取り組みを推進しているのは「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」。同会はGWが入港する前の2006年と08年の2回、原子力空母配備の賛否を問う直接請求運動を展開したが、議会の理解を得られなかった。今回も「空母交代を黙って容認できない」(新倉裕史同会共同代表)と行動を起こした。
アンケートは原子力空母の母港化が継続されることや安全対策に関して、市民の意思表示の機会を設けることが狙い。賛成と反対の両方の立場から回答できるようにした。集計結果は8月までに横須賀市の吉田雄人市長や日米政府に提出する方針。市民にも公表する。
原子力空母交代を知らせるリーフレット型のアンケート用紙15万部はすでに全戸配布済み。市内各所で協力の呼びかけも行っている。「どんな政治的な力を発揮するかはわからない。(提出した)相手に委ねるしかないが、市民の意思は問わなければならない」と同会では話している。
安全性テーマに市民集会
「市民アクション」の一環として、原子力空母の安全性や防災対策をテーマに意見交換を行う地域集会も開く。市内5地区を予定しており、24日には久里浜で1回目が実施された。
市民安全部危機管理課職員が原子力艦の防災について現状を報告。東日本大震災を境に、国が原子力施設の避難基準を500マイクロsv/hから5マイクロsv/h(5Km以内の地域は避難)に引き下げて強化を図った一方、原子力艦は07年に防災協定を交わした際の基準である100マイクロsv/h(空母から1Km以内の範囲は避難)のまま。市は”ねじれ”解消に向けて国へ地域防災計画改訂の要請をこれまでに2回行っているが、回答を得られていないことを報告した。市独自の避難基準を設けることについては、自衛隊や交通機関との協力が不可欠となるため、国のマニュアルに基づかざるを得ない状況を説明した。参加した市民からは、「空母は容認の立場だが、安全対策はしっかりと講じて欲しい」などの声があがった。
28日には吉田市長が外務省を訪れ3度目の要請を行う。
地域集会は6月7日(日)/衣笠はまゆう会館、14日(日)/追浜コミュニティセンター本館、20日(土)/ヴェルクよこすか第1会議室、28日(日)/大津コミュニティセンター。全て時間は午後1時半から。
〈5月27日起稿〉
|
<PR>
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|