浦賀奉行所の復元をめざして、浦賀地区の住民らが「浦賀奉行所復元協議会」を発足する。地元自治会や商店街、歴史研究会など13のグループが参加して、実現に向けた運動を展開していく。
江戸時代(1720年)に開設された奉行所は、2020年で300周年を迎える。これまで個々のグループが建物の復元を呼び掛ける署名活動などを展開してきたが、「連携して大きなうねりをつくるべき」との声が高まり、協議会を立ち上げることになった。会長には郷土史家で浦賀歴史研究所を主宰する山本詔一氏が就いた。6月22日(水)に発会式を開く。
一枚岩の組織になるのには理由がある。奉行所跡地の所有者は住友重機工業。土地の確保には、行政を動かして交渉を行うことが不可欠となり、地域の総意として要望し、話を前に進めていきたい考え。
同会では当面の目標として、市の史跡指定にするよう呼びかける。これと並行して、4年後をめどに更地化して奉行所公園を開設することを市と住重に求めていく方針だ。
ただ、こうした強硬路線に対して慎重論を唱える人もいる。今月12日に浦賀行政センターで開かれた発会準備会では、「住重の意向はどうか、現時点で把握できていない。手放さない事情があるのではないか」と、圧力による対話が軋轢を生むことを危惧する声があがった。
奉行所跡は東西86m、南北75mの広さ。奉行所の廃止後に建物は取り壊されている。現在は掘割の石垣と石橋の一部を残すのみとなっている。
奉行所の役割学ぶ講座
機運の高まり狙って
浦賀歴史研究所では、浦賀奉行所の仕組みや果たした役割を学ぶ全4回の歴史講座を開講する。タイトルは「意外と知らない!? 浦賀奉行所」。郷土史研究家が講師を務める座学に加え、奉行所跡地周辺を歩く巡検ツアーも行う。浦賀奉行所復元に向けて、市民の機運を高めていくことを目的とした企画。スケジュールは以下の通り。
【第1回】6月8日(水)午後1時半から3時半/「浦賀奉行所とは何だ?─その仕組みと役割」(講師・浦賀歴史研究所所長 山本詔一氏)
【第2回】6月15日(水)午後1時半から3時半/「奉行所の門をくぐって役所の中を探検!!」(講師・元専修大学講師・齋藤純氏)
【第3回】6月22日(水)午後1時半から3時半/「幕末の浦賀奉行所─海防と異国船応接」(講師・山本彗氏)
【第4回】6月29日(水)午後1時半集合(住重浦賀工場正門前集合)/「浦賀奉行所跡を歩く巡検ツアー」(案内人・山本詔一氏)
参加自由で予約不要。料金は1回500円で当日徴収。会場は住友重機械工業(株)浦賀工場内。
問合せは同研究所【電話】046・841・0057
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