中学生に硬式テニスがプレーできる機会を増やそうという取り組みが動き出した。競技人気が高まる一方で市内に硬式テニス部がない状況を受けてのもの。衣笠中学校と民間の葉山テニスクラブ(以下葉山TC)が連携して、同校のソフトテニス部を対象にした体験会を先月28日に実施。今後も継続していく。
プロテニスプレーヤー錦織圭選手の世界的な活躍もあって、現在テニス人気は高まりつつある。市内でもその傾向は顕著で池上にある葉山TCでも「ここ数年で若年層を中心とした入会者が2〜3割増になる影響があった」と支配人の瀬川雅さんは話している。小学生から始める子も多いというが、一方で中学生年代の受け皿は少ない。全国で硬式テニス部がある中学校は約1割にとどまっており、市内に至ってはゼロという状況だ。理由の一つに日本発祥の軟式テニスの方が先に普及したことなどで硬式テニスが日本中学校体育連盟(以下中体連)に所属していないことがある。同連盟が主催する全国大会などを考慮して、学校の部活動設置の一つの目安になるケースが多い。「市内の学校に関してもその影響があるのではないか」と横須賀市教育委員会の担当者も口を揃える。
こうした現状で市内の小学生テニスプレーヤーの多くは中学生になると、軟式に転向するケースが多いという。衣笠中でソフトテニス部顧問を務める清田直紀教諭はこの状況を鑑みて「硬式をプレーしてみたいと思っている生徒たちがいる中で受け皿の必要性を感じていた」という思いから瀬川さんに打診して、今回の運びに至った。
広がりに期待
体験会当日は同中のソフトテニス部員の8割にあたる約30人が参加。関心の高さをうかがわせた。葉山TCがラケットなど道具を一式準備。瀬川さんの呼びかけで集まった横須賀学院高校の顧問や関東学院大学の学生ら11人の経験者が指導にあたった。バウンドや回転の違いなど約2時間にわたってレクチャー。中学生は普段とは違う球に戸惑う様子を見せつつも、楽しそうにプレーした。
小学6年生まで4年間硬式を続けていたという青木優衣さん(1年)は「久しぶりに硬式を打てて楽しかった。また機会を設けてくれると嬉しい」と満足げに話した。こうした生徒の声に応え、今後は月に1度のペースで継続開催の方向。ニーズがあれば対象者の枠を広げることも検討している。清田教諭は「ニーズはあると思うのでこの取り組みがモデルケースとして、市内に広まっていけば。将来的には部の設置につながってほしい」と話している。
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