中学生の都道府県対抗バスケットボール大会が先月末に東京都などで行われ、神奈川県選抜で大滝町在住の田中力君(坂本中3年)が最優秀選手に選ばれた。U―16日本代表候補の田中君は今大会主将としてチームを牽引。攻撃の中心として県選抜の優勝に貢献した。
世代NO・1の呼び声も
田中君は185cmの身長を活かしたシュートに加え、両手が遜色なく高いレベルで使えるハンドリング技術、局面を打開するドリブル突破、広い視野から繰り出す決定的なパスなど総合力が高い超中学級のオールラウンドプレーヤー。「ジュニアオールスター」と呼ばれ、全国から精鋭が集まる今大会の中でも別格のプレーを見せつけた。
特に準決勝の対東京戦はチーム68点のうち43点を、決勝の対長崎戦でも59点のうち34点をたたき出すなど大事な試合でチーム総得点の半分以上を1人で叩きだした。「優勝と最優秀選手の両方を目標にしていたので嬉しい」と大会を振り返り、充実感を漂わせる。
同選抜には同じ坂本中から川崎優大君(3年)も選出されており、豊富な運動量で試合の流れを変える切り札として活躍した。
精神面でも一回り大きく
主将として臨んだ今大会。田中君は「1年前の悔しさは忘れられない。変わった姿を見せたかった」と決意を抱いていた。昨年は1年生で唯一のメンバー入り。しかしながら「集中力の欠如するシーンが見受けられた」と県選抜の松澤俊介コーチが指摘するように精神面で未熟な面があり、試合に絡めなかった。「自分のプレーが上手くいかないとイライラしてモノにあたったりしていた。今思えば恥ずかしい」と当時の自分を振り返る。
変わるきっかけとなったのが坂本中の顧問を務める長谷川裕子教諭の言葉がけ。「精神面が安定すれば今よりもっと良い選手になれると何度も言ってくれた」。意識を変え、日頃から部活の仲間に声をかける回数を増やし、プレー中に不満を表す態度もとらなくなった。
迎えた今大会、チームが変われど意識したことは同じ。ハーフタイムの時間などで味方に前向きな言葉をかけ続けた。「昨年とは別人のようにチームのことを考えてくれていた。団結力を高めてくれた意味でも貢献度は高かった」と松澤コーチは成長を褒め称える。
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田中君がバスケを始めたのは諏訪小学校4年生の時。友人の誘いでミニバスチーム「鶴久保MBC」に入団した。当初は「全くついていけなかった」と話すが、放課後のほとんどを自主練習に充てて才能が開花。坂本中に進学後は世代別の日本代表選手に選ばれるなど急成長を遂げている。
今大会の活躍もあり、同年代では現在最高の選手という呼び声も。「お世話になった顧問や学校の為にも、仲間を大事にしながら最後の夏を戦いたい」と新3年生の抱負を語る。将来の夢は「本場のアメリカで活躍できる選手になりたい」
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