神奈川県住宅供給公社(横浜市)は、鶴が丘1丁目の「不入斗店舗跡地利活用事業」として、株式会社ローソンが提案した計画を採用することを明らかにした。介護相談窓口やサロンスペースを併設したコンビニエンスストアで、高齢化が進む中、介護・生活サポートに重点を置いた店舗形態となる。
県住宅公社が事業を進める鶴が丘1丁目の同地(約975平方メートル)は、県営団地や戸建ての住宅が並ぶ閑静な住宅街にある。バス通りに面したこの場所は、同公社が土地と建物を所有しており、1960年代に建てられた店舗には薬局や青果店などがテナントとして入っていた。
高齢化に対応
時代の変化による地域の高齢化と消費者ニーズに対応するため、同公社は利活用事業として既存建物を解体し、「周辺住民の生活サポート拠点となる小売店舗」として、コンビニエンスストア事業者を募集した。買物難民と言われる地域全体の不安解消も課題となっており、「活性化」という視点で人が集う場所、多様なサービスを提供できる形態を想定し、県内で出店実績のあるコンビニ事業者を条件としたという。
公募には2者が参加し、先月17日、株式会社ローソンが提案した計画を選定した。具体的な内容は、従来のコンビニ店舗の標準的な品揃えに加え、介護食などを拡充、店内には介護相談窓口やサロンスペースを併設するというもの。周辺住民へ向けた宅配サービスも計画に盛り込まれている。
同社は、高齢化など社会変化に対応した次世代のコンビニモデルとして、ケア(介護)拠点併設型の「ケアローソン」を展開。介護事業者と連携して運営している。鶴が丘の新店舗も同様の形態となる方向だという。立地に関しては、「近くに小売店舗がなく、バス通りに面していることもあり、一定の需要があると判断した」と同社。現状は、既存建物の解体工事が終わった段階で、更地の状態。開店時期は来年11月を予定している。
買い物に不便な立地
この地域は、県営団地を中心にひとり暮らしの高齢者が多く、日々の買い物はバスを使って衣笠や横須賀中央へ出ているという。近くにある在宅医療支援拠点「しろいにじの家」の佐藤清江さんは、「周辺は坂も多く、日々のちょっとした買い物が大変だという声をよく聞く。ネット注文などもあるが、高齢者は使いづらい。コンビニは惣菜の少量パックなどもあり、歓迎する人も多いと思う」と話す。さらに「相談や休憩スペースがあれば、散歩がてら寄ろうと出かけるきっかけになる。ひとり暮らしの高齢者も人と繋がれる安心な場所となってほしい」と期待を示した。
同公社では、同様に厚木市でも所有する団地周辺の利便性向上を目的に、事業用定期借地によるコンビニエンスストア誘致の事例がある。
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