新春市長インタビュー 「子どもが主役」イメージ浸透
2014年の幕開けにあたり、吉田雄人横須賀市長に恒例の新春インタビューを行った。昨年の総括とともに、市長選で掲げた目玉政策の進捗状況を聞いた。ことし1年で重点的に取り組む課題と、その思いについても率直に語ってもらった。(聞き手/本紙・安池裕之編集長)
首長連携の施策を具体化
──2013年を振り返ってどんな年でしたか?
「全国的な話題として、東京オリンピック招致決定がありました。このインパクトは大きい。首都圏に位置する横須賀では、関与できる可能性が十分ありそうです。既存のナショナルトレーニングセンターの施設拡充をJOCが文科省に要望書を提出していることもあり、誘致をめざしたい気持ちがあります。高まるオリンピック熱を地元に引き込むアイデアをこれから模索していきます」
──横須賀での出来事に目を向けるといかがでしょう。
「『ドル旅』の実施と『三浦半島サミット』の開催が印象に残っています。市長選で掲げた政策でもあり、すぐに着手できたことに大きな意義があったと思います。横須賀の元気は中央からとの思いがあり、ドル旅はそれを具現化する施策として導入したものです。どぶ板を中心に『ドルで買い物が楽しめる街』を市外に向けて発信したのですが、
このキャチフレーズが功を奏し、新規の来街者を呼び込むことに成功しました。メディア露出を広告費に換算すると2億円以上との話もあります。イメージアップ効果は絶大です。今年は通年展開で『ドル旅』から『ドル街』にスケールアップさせたいと思っています。
定住事業「一歩踏み込んで」
──三浦半島4市1町の首長連携は吉田雄人市長の旗振りで実現したものでした。
「これからの広域行政の布石となるものです。地域の活性化ひとつをとっても単一自治体だけでは難しい面が多々あります。まずは観光を切り口に、自治体横断の施策を展開していく計画です。現時点でアイデアとして浮上しているのは、人気が沸騰しているサイクリングです。三浦半島にはすでに多くの愛好家が訪れれいます。各スポットを周遊できるモデルコースの選定やイベントの実施を思い描いています。もう一つは、地元産品の相互販売協定などを結んで、販促活動を強化していくことです。地元のイチオシに焦点をあてたパンフレットを我々で手掛けるのも一案です」
──旬の食材を集めた「ポートマーケット」はオープンして10カ月が経過しました。中央地区で導入された巡回バスも含め、苦戦が伝えられています。
「客足の減少など厳しい状況にあるのは事実ですが、1年を通した動きを掴めていませんので、出店者の意欲を引き出しながら推移を見守っていきたいと思います。循環バスに関しては、PR不足があるかもしれません」
──中央地区の活性化では、中央大通りを歩行者天国とする「ホコ天プロジェクト」も提唱しています。
「待っているだけでなく、店の外に飛び出して商品を販売したり、サービスを提供したり…。そんな商店の意識改革を狙ったアイデアのひとつです。追浜や衣笠の商店街では様々な企画に挑み、一定の成果を挙げています。中央地区で先ごろ立ち上がった若手商店主らのグループ(ヨコスカダウンタウンクラブ)と問題意識を共有できています。彼らと連携しながら、(歩行者天国の)実現の可能性を探ってみたいと考えています」
──2014年の重点政策を聞かせて下さい。
「若い世代の定住促進にもう一歩踏み込んで取り組む考えです。手法を少し変えて、ターゲットエリアを横浜南部、京急沿線などに絞り込んで、『自然が豊か、魅力あふれる食材、のびのびの教育環境』などを切り口にダイレクトにアピールしていきます。特に子育て世代に向けて『子どもが主役になれるまち』という都市イメージを強調していきます。注目されやすい小児医療費と中学校給食の課題だけでなく、新生児訪問をほぼ100%実施している実績や児童養護施設の子どもたちに向けた家庭教師の支援サービスなども知っていただきたい。将来的には、米軍基地のある横須賀ならではの英語教育の充実なども発信材料にしたいと思っています。進展する高齢化社会については、膨らむ扶助費を抑制するための手立てとして、『生涯現役』の生き方を浸透させたいと思っています。そのための事業として健康教室の開催、ラジオ体操の普及事業などを全市的に拡大していく意向です。幸せの源は健康にありますから」
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