「二宮ジョイフル・ハーモニカ」10周年記念演奏会の実行委員長を務める 品川 充久さん 二宮町中里在住 71歳
10年の集大成奏でる
○…曲の調子に合わせて用意する「愛器」の複音ハーモニカが、お手製のケースに何本も並ぶ。演奏では60cmはあろうかという長尺のコード(和音)ハーモニカも担当。「二宮ジョイフル・ハーモニカ」の10周年記念演奏会で実行委員長を務め、演奏面でも運営面でもステージの屋台骨を支えている。
○…グループは、二宮町主催の音楽ワークショップに参加した受講生が結成し、現在は26人の会員が練習に励んでいる。「会の名前通り、楽しく和気あいあいと」がモットー。介護施設や病院などでの演奏にも力を入れ、「施設の方が一緒に歌ってくれると嬉しくて」と会員のやりがいにつながっている。東日本大震災後は、所属会員のコーディネートにより被災地での慰問演奏を始めた。今でも年に4回ほど赴き、被災者にひと時の安らぎを届けている。
○…半身不随を患った姉の介護に時間を費やす中で、息抜きになればとグループの3周年演奏会に観客として足を運んだ。「ゲストの柳川優子さんが吹くツィゴイネルワイゼンを聴いて、身体の震えが止まらないほど感動したのを覚えています」。演奏のスピードや表現力、音の粒立ち。会場を包む独特の音色に魅せられ、入会を決めた。最初に挑戦した楽曲は、美空ひばりの「みだれ髪」。郷愁を帯びたハーモニカの音色が良く合った。
○…10周年の演奏会は、手作りのコンサートがコンセプトだ。「素人なんだから、みんなで力を合わせてやっていこう」と、3つのグループに分かれて選曲や演奏方法を決め、10年間の歩みを披露する。「誰でも気軽に演奏できるのに、くわえ方や息の吹き方で様々な音が出せる。奥深い楽器です」。肺活量がものをいうハーモニカの演奏を続けるため、たばこは2年前にやめた。50代〜60代の若いメンバー加入を渇望しながらも、5年、10年先の周年演奏会でステージに立ち続けたいと願う。
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