「農家の納屋DE舞台」“寿歌”の演出を手がける 多田 マリ子さん 西大竹在住
大人の遊び心 大切に
○…明治時代に建築された自宅の納屋で8月11日(土)と12日(日)、劇団に所属する知人らとともに演劇を行う。今回上演する北村想さんが脚本を手がけた「寿歌(ほぎうた)」は、演劇に出会った高校時代によく練習をした思い入れの強い作品。「何らかの形で、いずれ上演に関わりたかった。楽しい舞台なので、是非見に来て」と呼びかける。
○…西大竹出身。高校へ進学した際、部活説明会で見た演劇部の照明の美しさに惹かれ入部した。「自己表現が苦手で、最初は稽古も恥ずかしかった」と話すが、「物作りの面白さを次第に感じてきた。演者とお客さんで一緒に空間を創るのが楽しくて」と魅力を話す。
○…大学の時、タイの貧しい地域で植林ボランティアを体験。そこで出会った子どもたちが、貧しいのに目を宝石のように輝かせ生活している姿にカルチャーショックを受けた。「日本の子はこんな幸せな表情をしているだろうか、と感じて」。卒業後、バックパッカーとして世界を周った。オーストラリアやニュージーランドに居住したほか、ヨーロッパやアジアなど様々な国への渡航経験がある。「その土地の風土を知るのが好き。海外では、人々の生活を体感できる市場が一番楽しい。でも、海外へ行くほど、日本の良さが見えてくる。結局日本が好きなんですよね」と笑う。
○…家族は父と夫の3人。自身は農業を営み、野菜や落花生、米などを作っている。「自分で育てて、自分で食べる。農業は、やった人にしかわからない充足感がある」と話す。今回の舞台上演は、昨年の震災を機に考えた。「偉そうなことは言えないけれど、何事にも無関心な大人が増えていると思うんです。みんなが何かを考える世の中になれば」と願う。今後については「子どもって大人の顔色を伺っちゃうでしょ。だから、窮屈な世界にしないためにも、大人が遊び心を持って生きないと」と優しい笑顔を見せた。
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