夏の風物詩「せいせき朝顔市(ふるさと多摩夏まつり)」が7月4日(土)・5日(日)、聖蹟桜ヶ丘駅西口周辺で開催される(同実行委員会主催)。時間は午前8時〜午後6時。今年で33回目。地場野菜の販売の他、桜ヶ丘商店会連合会や関戸公民館とのコラボ企画など様々な内容が用意されている。その中で、メーンとなるのは地元農家が育てた色とりどりの朝顔の展示販売。実行委員会では「今年の出来は良い。ぜひ多摩の特産品を観に来てほしい」と呼びかけている。
同イベントは、1983年に多摩市農協(現・東京南農協多摩支店)を中心に、農業を通じた市民相互のふれあいを生み出そうと、市民全体が参加でき、かつ多摩市の特産品をつくることを目的に始まった。その特産品として挙がったのが朝顔だった。多摩市農協が聖蹟桜ヶ丘駅付近に園芸センターを設けていたこと、古くから篠竹が原生し目篭等の竹工業が盛んで朝顔の行灯もつくりやすく、栽培もしやすいことが理由となって選ばれた。
当初は地元の23農家が参加し、産地として有名な入谷等へ視察に訪れるほか、作目や品種の選定、栽培方法など試行錯誤して育てられてきた。それから30年以上が経ち、今では多摩市の特産品のひとつとして定着し、中元の品にも使われるようになっただけでなく、イベントも地元を代表するものとなった。
今年もイベントのメーンとなるのは、その朝顔の展示販売。大輪咲きを中心に4品種1000鉢が並ぶ。前日には品評会も行われ、金賞等が選ばれる。
「特産品を観にきて」
「毎年が1年生の気持ち。年に1回のイベントだし、日程が決まっているからやり直しがきかない。難しいよ」と話すのは、生産者として第1回から参加している小山儀一さん(78)=関戸在住=。種をまいてから75日で花を咲かすという朝顔。「いかにツルを伸ばさないで作るかが難しい。茂りすぎてもつぼみがダメになる。中肉中背にしないと」。そうやってイベント当日に花が咲くように仕上げていく。出来はその年の日照時間で左右されるが、今年は「最近の中では良い」と笑顔で話す小山さん。お勧めの品種は団十郎で、その理由は「珍しい品種だから」。その他にも、富士系は花が良く咲くので人気だという。
高齢化と後継者不足で朝顔の生産は6農家に減った。「これからは後継者を作ることが課題」と口にする。「30年以上続けて定着した。その多摩の特産品になった朝顔をぜひ当日観に来てほしい」と話している。
イベントの詳細は事務局【電話】042・338・6848へ。
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