「荷物をお運びします!」。周囲に響く子どもたちの声。連光寺・聖ヶ丘地域福祉推進委員会(岡田掊(おさむ)委員長)と都立多摩桜の丘学園は6月23日、スーパー「ビッグ・エー多摩聖ヶ丘店」の協力を得て、買い物客の荷物を自宅まで運ぶ「買い物支援事業」を行った。地域の買い物弱者を地域で支援しようと企画された同事業。同委員会では「少しずつ続けていけたら」と話し、今後の地域の支え合い事業として注力していく意向だ。
連光寺・聖ヶ丘地域福祉委員会は、住民や関係機関が連携して地域の課題を解決するための”支え合いの仕組みづくり”を目的に、多摩市社会福祉協議会が設置を呼び掛けている組織のひとつで2008年4月に市内で初めて設置された。 委員会内には、高齢者支援、子育て支援、多摩大(学校)連携、イベント企画の各グループが設けられ、各事業等を実施している。そうした中で、エレベーターのない団地や、勾配が多いエリア内で生活する高齢者や障害を持つ人、子育て中の家庭などから「買い物しても自宅まで運ぶのが大変」「階段があって運べない」という声が地域から挙がっていたという。
そこで、企画したのが今回の事業だ。多摩大(学校)支援グループが地元の「多摩桜の丘学園」に協力を打診したところ、同校は特別支援学校として卒業して社会に出る時のために働く力を育てる「作業学習」に取り組んでおり、東京都の社会貢献モデル事業の指定校にも選ばれていることから、「子どもたちの勉強と地域の役に立てるのなら」と快諾し、実現に至った。
地域交流のひとつに
当日は、同校高等部の1年生6人が参加。店舗前で「荷物をお運びします」と元気な声でチラシをまきながら呼び掛けると、買物を終えた人たちが生徒たちに荷物運びを依頼。生徒たちは、自宅まで重い荷物を抱えて運んでいった。中には、お礼の手紙を渡され、笑顔を見せる生徒もいた。
今回参加した生徒たちは「人助けができて良かった」「やりがいがあった」と感想を述べ、同校の原田勝副校長は「子どもたち自らが志願して参加してくれた。高齢者の方の役に立てたと実感できたのでは」と話す。
企画した同委員会の加納宏一さんは「少しずつ続けていくことが大事。買い物に行くことができず、家にいると地域交流もできない。買い物に出てきてもらい、生徒さんたちが荷物を運んでくることで、コミュニケーションにもつながる。今日出た課題などを整理して、秋頃から定期的に実施していきたい」と意欲を見せていた。
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