いよいよ今夏に開幕が迫ってきた「東京2020オリンピック・パラリンピック」。開幕前に行われるオリンピックの聖火リレーは121日間をかけて日本全国47都道府県を巡る。昨年12月17日に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から詳細ルートが発表され、多摩市内は7月11日(土)に市役所をスタートし、聖蹟桜ヶ丘駅前まで走ることが決まった。
オリンピックの聖火リレーが始まったとされるのは1928年のアムステルダム大会。スタジアムの外に塔を設置し、そこに火を灯し続けるという案が採用されたことが契機となり、現在のような聖火が誕生したという。聖火は、ギリシャ・オリンピアの太陽光で採火され、ギリシャ国内と開催国内をリレー形式でつないでいき、開会式当日に最終ランナーによってメインスタジアムの聖火台に点火される。
今大会は、3月12日(木)にギリシャ古代オリンピア市で聖火採火式を行い、3月20日(金)に空路で宮城県の航空自衛隊松島基地に到着する。今回の聖火リレーは「希望の道を、つなごう。」のコンセプトのもと、東日本大震災の各被災地で「復興の火」の展示を行い、3月26日(木)に福島県でグランドスタート。その後121日間をかけて日本全国を回る。一番最後が東京都で、7月10日(金)に世田谷区をスタートし、15日間で各市区町村を巡る。多摩市で行われるのは7月11日。今回発表されたルートは、多摩市役所をスタートし、市役所前の通りを多摩センター方面に向かい、「乞田新大橋」交差点から多摩ニュータウン通りを府中方面へ。「新大栗橋」交差点から川崎街道に入り、聖蹟桜ヶ丘駅前さくら広場まで。このルートを公募等で選ばれたランナーが聖火をつないでいく。12月17日時点で一部のランナーが発表されており、今後順次発表されるという。
「ぜひ楽しんで」
1964年に行われた東京オリンピックでも行われた聖火リレー。当時は、4つのコースに分かれて日本各地を回り、1万人を超える人たちが東京まで聖火をつないできた。多摩市(当時は多摩町)は走行ルートに入っていなかったが、ランナーとして参加した人がいる。豊ヶ丘に住む新倉唯男さん(74)だ。
新倉さんは、高校を卒業して町役場に入ったばかりの19歳だった。教育委員会からの推薦で聖火ランナーに選ばれたものの「なんで選ばれたかわからないんだよ」と苦笑い。新倉さんの他にも、副走者2人、随走者5人が多摩町から選ばれ、8人で聖火リレーに参加した。副走者として参加した持田勇さん(74)によると、走ったルートは町田市と八王子市の境で、現在の旧国道16号線の「鑓水」交差点付近から、「御殿峠」交差点付近までの1Km強だったという。新倉さんは「あれ(トーチ)が重くてね。後ろで走っていた人たちは煙で苦しかったみたいだよ」と、当時の写真を見ながら懐かしそうに微笑む。
当時は、聖火リレーに参加したという実感がなかったという新倉さん。「戦後の影響で生活するのも大変だった時代。オリンピックのこともよくわかっていなかった」と当時を振り返る。「今になってみればすごいことだった。今回走る人はせっかくの機会なので、楽しんで走ってほしいね」と話した。
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