全国の「ESD(持続発展教育)」に取り組む小中高等学校の中から、積極的にその取り組みを実践する学校を奨励する「ESD大賞」中学校賞に、このほど、市立東愛宕中学校(千葉正法校長)が選ばれた(主催・NPO法人日本持続発展教育推進フォーラム)。全国で約1千校がユネスコスクールに加盟しESDを実践している中で、同校は「地域再生」を核に地域との協働で養蜂活動や地域行事への参加、防災教育など社会関係性の深まりを目指したESDに取り組んでおり、それが評価された形となった。
”持続可能な社会の担い手を育む”教育をめざし、全国でその取り組みが広がっている「ESD」。多摩市では、現在、すべての公立小中学校がユネスコスクール(ユネスコの理念の実現に向けた平和や国際的な連携を実践する学校)に加盟しており、各校が独自の取り組みを行っている。
「ESD大賞」は、今回で7回目を迎え、全国でESDに取り組む小中高等学校の実践事例報告を広く募り、その中から理念が正しく理解され、学校全体での取り組み、地域社会とのつながり、地域の特色を生かすことを大事にした具体的で独自性のある取り組みを行っている学校に、文部科学大臣賞、ユネスコスクール最優秀賞、小中高の各部門賞などを設けて表彰を行っている。
「生徒たちの自信に」
今年度は、全国から約150校の応募があった中で、同校は中学校部門賞を受賞。2年前に同じく中学校賞を、昨年は審査委員特別賞を受賞しており、3年連続での受賞となった。その同校は、市内でも特に高齢化が顕著な地域に位置し、地域格差等の課題があることから、「地域再生」と「教育」を一体化したESDに取り組んでいる。具体的には、季節の地域行事に各生徒が自発的に運営から参加。大規模災害時を想定して「防災自助パック」を準備し、全生徒が認知症サポーターの資格を取得する他、老人会と一緒に地域を巡り、防災マップを作成。学校と地域で「愛宕アカデミー」を立ち上げ、放課後学習教室や地域の伝統文化を学習し、養蜂による起業体験や生物多様性の学習などの取り組みを進めている。これらの活動によって、生徒の成長が見て取られ、「地域・社会貢献したい」と考える生徒が都や市の平均の2倍以上になったという。
今回の受賞を受けて、生徒会副会長の渡邊朋恵さん(2年)は「これからも地域にボランティアで参加して活性化に携われたら」と話し、生徒会長の加藤湧さん(2年)は「被災地への募金活動もしてきたけど、これから直接被災地に行って、直接話を聞いて、学校でどんなことが出来るか考えていきたい」と今後へ意欲をみせた。千葉校長は「生徒たちは年々ボランティアの大事さなどがわかってきた。地域の方たちがそういう場をつくっていただけているからこそで感謝している。全国規模の賞をいただいたことで、生徒たちの自信にもつながる。これを学力にもつなげ、今後も東愛宕中の良さを引き出していきたい」と話している。
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