東日本大震災で未曾有の被害に見舞われた宮城県石巻市。発災後、同市のある店舗跡で一輪の「ひまわり」が咲いた。その7代目となる種を譲り受けた市立瓜生小学校(吉田正行校長)で8月下旬、児童たちの手によって育てられた約250本が大輪の花を咲かせた。
「がんばろう!石巻」―。震災発生後、地元の復興団体が石巻市内で掲げた大きな看板。そのすぐそばの店舗跡に、一輪の大きなひまわりが咲いた。津波でどこからか流されてきた種が、津波にも塩害にも負けず開花したことから、このひまわりは「ど根性ひまわり」と名付けられた。その後、復興を願い、震災を忘れないようにと、そのひまわりの種は全国に配布されているという。
今回、瓜生小で花を咲かせたひまわりの種は、吉田校長が前任の南鶴牧小学校で、被災地と交流を続けている恵泉女学園大学から6代目の「ど根性ひまわり」の種を譲り受け、同校で育て採取したもの。吉田校長が持っていたその種を、瓜生小の全校児童231人で育て花を咲かせようと、児童委員のメンバーを中心に「ひまわりのように上を向こう!プロジェクト」を発足。「東日本大震災を忘れない」「へこたれずに頑張る気持ちを育てる」「いじめをなくし楽しい学校にする」「命を大切にする」を合言葉に掲げた。
6月下旬から各自がポットに入れた種から育て、7月中旬に花壇に移植。夏休み中は、プールなどで登校した児童や、普段から花壇整備に協力してもらっている「お花倶楽部」や放課後子ども教室「瓜生ひろば」の保護者らの手を借りながら育てられ、8月下旬に花を咲かせた。
児童委員長の中村美月さん(6年生)は「水やりを朝の当番で交替でやったり、全校児童に伝えたりするのが大変だったけど、みんが頑張ってくれて花が咲いたので嬉しい」と話し、副委員長の上原充喜さん(6年生)は「咲いた花を見てみんなが笑顔で学校生活を送ってくれたら」と感想を話した。
吉田校長は「学校一体となって取り組むことが出来た。この種を地域に配ることでプロジェクトが地域にも広がっていけば」と今後にも意欲を見せている。
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