10月20日から11月23日まで大阪府和泉市で開催された国内最大級の菊の祭典「第35回日本菊花全国大会」。同大会の「三本立単鉢の部」で、市内南野在住の峯岸忠さん(70)が2位となる文部科学大臣賞を受賞した。昨年は大阪府議会議員賞を受賞し、今年はその結果を上回った。「嬉しい。良く咲いてくれたと菊を褒めたい」と大輪の笑顔で喜びを語った。
同大会は、全国各地の”菊づくり名人”が一堂に会し、「日本一」を決める国内最大規模の菊の祭典だ。「三本立花壇」「福助花壇」「盆栽花壇」「小品盆栽花壇」「特作花壇」「三本立単鉢」「切花」「組花」「ダルマ作り」の9部門があり、高松宮妃記念杯や各大臣賞が用意されるなど賞も多く、腕に自信のある全国の名人たちの作品が約30万本出品される。
ニュータウン開発前まで、家業としてシクラメンやバラを生産していたという峯岸さん。ニュータウン開発後は、生産を止め、町田市鶴川で生花店を営んでいた。店を閉めた7年ほど前に、近所の人から菊づくりを勧められ、「面白そうだから」と始めた。以前から知り合いだった千葉県に住む吉田武雄さんに育て方を学び、主に三本立、ダルマ、福助の3種類を育てている。「花壇などを作る場所の余裕がなくて。その3つは作りやすい。愛情を込めて水やりをしながら見ていく。手間をかければかけるほど、良い菊ができる」と菊づくりにのめりこんでいった。
以来、高幡不動尊(日野市)の菊まつりや、薬師池公園(町田市)の菊花展に毎年出品し、菊まつりでは2014年に1位となる内閣総理大臣賞を受賞した。その後、関東一円の菊づくり名人の作品が集まる「東京都観光菊花展」にも出品し、16年に都知事賞を受賞。昨年から国内最大規模の「日本菊花全国大会」に出品し、「三本立単鉢の部」で大阪府議会議員賞を受賞するなど”名人”の仲間入りをした。
そして、今年、同時期に行われた「東京都観光菊花展」にも出品し、「三本立の部」で2位となる東京都知事賞に選ばれた。今大会では、同じく2位となる文部科学大臣賞を受賞。1位と僅差だったという。「今年は、夏が暑く、日照時間も短いうえに、台風もあった。天候不順で育てるのが難しかった。他の皆さんもそうだったみたいで、全体の出来を見て、手ごたえを感じていた」と振り返り、同賞の受賞には「嬉しかったですよ。咲いてくれた菊を褒めてあげたいですね」と喜んだ。
「来年は1位を」
「一番難しいのは、水やり。多すぎても根腐れするし、少ないと葉が枯れる。毎日天気予報をチェックしています」と菊づくりのポイントを語る。
冬の間に土づくりをはじめ、2月に苗を仕入れ。4月に挿し木をして8月下旬頃からつぼみができる。花が咲いてからは、形を整える「花なおし」を行う。その花なおしは、一晩中かかることもあるという。「審査の日に合わせて、見頃を迎えるように育てていくのが難しい。愛情をかけて育てていても、実際に花が咲いてみないとわからない。でもそれが楽しいんですけどね」。花づくりの難しさと、魅力をそう語る。
来年に向けて、早くも土づくりが始まる。春にはハウスを作って、鉢の数も今年の150鉢よりも多く育てる予定だという。「今年は、どの大会も結果が良かった。でもまだ上がありますから。来年こそは1位を取りたいですね」と来年に向けて抱負を語った。
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