開幕までいよいよ1年をきった東京2020オリンピック競技大会。多摩市が同大会に出場するアイスランド共和国選手団の事前キャンプ地になることが決まり、8月23日に港区の駐日アイスランド大使館でアイスランド国立オリンピック・スポーツ協会(ÍSÍ)と練習拠点となる国士舘大学との間で事前キャンプにかかる覚書を締結した。阿部裕行多摩市長は「スポーツのみならず、様々な分野での交流も深めていきたい」と同国のホストタウンを目指し、今後に期待も寄せる。
アイスランド共和国は、北ヨーロッパと北米大陸の間に位置する島国で、首都はレイキャビク。北海道と四国を合わせた約10万3千平方キロメートルの国土を持ち、人口は約35万人と多摩市の約2倍。「世界経済フォーラム」で10年連続ジェンダー(男女)平等国として世界1位になっており、水力や地熱などの再生エネルギーの先進国だ。火山国で温泉文化があり、漁業が盛んな国で捕鯨も行うなど日本との共通点も多いという。
直近のオリンピックには、体操や柔道、射撃、バドミントン、陸上、競泳、ハンドボールなどの競技でロンドン大会に30人、リオ大会に8人の選手が出場している。東京大会への出場選手はまだ決まっていないものの、ÍSÍでは15人〜30人を想定しているという。
今回のキャンプ地の決定については、昨年11月に行われた各国オリンピック委員会の代表者が一堂に会する総会で、各自治体が事前キャンプ誘致ブースに出展する中、多摩市のブースをÍSÍのリネイ・ラット・ハルドルスドッティル事務総長が立ち寄ったことがきっかけ。それから交渉が始まり、様々な種目の会場に近く、移動時間も少ないことを理由に、候補地として多摩市に打診。今年3月に、多摩センターや国士舘大学の多摩キャンパスを視察し、「施設と街が素晴らしい」と決定したという。
事前キャンプは、大会前に行い、同国の選手団が多摩市内に宿泊し、国士舘大学の施設で練習を行う他、市民との交流も予定している。
「様々な分野で交流を」
駐日アイスランド大使館で行われた締結式にはÍSÍのリネイ事務総長と、阿部市長、学校法人国士舘の大澤英雄理事長が出席。冒頭、エーリン・フリーゲンリング駐日アイスランド共和国大使が「事前キャンプにかかる覚書を多摩市、国士舘、ÍSÍと結べることを個人的、アイスランド的にも喜んでいる。祖国から離れている選手に対して非常に多くの協力をしていだたけることを期待しています」と挨拶した。またリネイ事務総長は「皆様の親切な心と提供していただく様々な施設に関して感謝しています。選手団一同と日本に来ることを楽しみにしています」と話した。
阿部市長は「選手団をお迎えするにあたって、高いレベルの練習に専念できるよう国士舘の皆様と共に全力で支援に取り組んでいきたい」と話し、重ねて「スポーツ交流のみならず、駐日アイスランド大使館を通じて様々な分野で交流が図られていくことを切に希望する」とホストタウンへの登録もめざすことにも言及した。国士舘の大澤理事長は「本番において最大の成績があげられるようにこれからも短い時間ではありますが、整備等々にベストを尽くしてお待ちしたい」と話した。その後、それぞれが覚書にサインをし握手を交わした。
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