「秋季東京都高等学校野球大会」の決勝が11月10日、神宮球場で行われ、国士舘高校が6対0で帝京高校を破り、2年連続7回目の優勝を決めた。この結果、来春、甲子園球場で行われる「第92回全国選抜高校野球」への出場が濃厚となった。「春の国士舘」と呼ばれ、過去9回センバツに出場、ベスト4まで進んだことがある同校。「ベスト8」を目標に掲げ、大会までの4カ月、選手個々、チーム力のさらなる向上を図り、甲子園での飛躍を誓う。
永山の国士舘大学多摩キャンパスの野球場で練習を行う同校野球部。過去に9回センバツに出場し、1991年にはベスト4に進出。「春の国士舘」と呼ばれ、旋風を巻き起こした。
2016年に同大学から復帰した永田昌弘監督に率いられ、今年春に10年ぶりにセンバツに出場。今夏も、強豪ひしめく西東京地区で、優勝候補として臨んだものの、まさかの緒戦敗退を喫した。永田監督は「幸か、不幸か緒戦で敗退し、新チームを作るのに時間があった」と苦笑する。
その新チームでは、昨年からのレギュラーは黒澤孟朗選手(2年生)、主将の鎌田州真選手(2年生)の内野手2人だけ。昨年の大会を経験している投手はいなかったが、中西健登投手(2年生)が練習試合で安定した成績を残し、エースに名乗りを上げた。「何十試合する中で負けることが少なかった。攻撃力は前チームよりも勝っている」と永田監督はチームを評する。
中西投手が力投
今大会では、一次予選2試合を15得点無失点で突破。本選では、1回戦で世田谷学園を6対0で破り、続く都立富士森を相手に11対9で苦しみながら勝利を収めた。3回戦は、永田監督、鎌田主将が「ターニングポイント」に挙げた強豪の明大中野八王子と対戦。初回に3点を先制されながら逆転し、終盤追い上げられるも逃げ切って7対6で勝利を収めた。「初回から、感覚がいつもと違うなと思っていたら点を取られてしまった。終盤追い上げられたけど、投げ切ることができて自信になった」と中西投手は振り返る。
続く、準々決勝は修徳を8対4で退け、準決勝で都立城東を5対0、決勝で強豪・帝京を6対0でくだし、優勝を決めた。中西投手は、準決勝で指に血豆を作りながら一人で投げ抜き、決勝も血豆の影響が心配されながらも強豪を相手に完封し、チームを優勝に導いた。「試合中は多少違和感はあったけど、意識はしていなかった。いつの間にかつぶれていました」と意に介さず、快投を見せた。
目標はベスト8
鎌田主将は「優勝を目指してやってきたので、成し遂げられて嬉しいし、自信になった」と笑顔を見せる。続けて「まだミスが多いので、修正しながら走塁やバント、サインプレーなどを鍛えていきたい。センバツでは、相手に名前負けしないよう、まず一つ勝って勢いに乗っていけたら」と意気込みを語る。永田監督は「選手個々、チーム力もレベルアップして、ベスト8を目標にしたい」と抱負を語った。
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