市民団体「多摩市に中央図書館をつくる会」(青木洋子代表)は10月29日、多摩市役所を訪れ、市に寄付金を、市教育委員会に絵本を寄贈した。多摩市の中央図書館の望ましい姿を研究し、実現に向けて市民の立場から提言等を行ってきた同会。「中央図書館の整備事業と、小・中学校の学校図書館の教育活動に役立ててほしい」と話している。
1999年6月に多摩市第四次総合計画策定に向けた市民ワークショップ「まちづくり研究会」が行われ、同年12月に基本計画が提言された。その中で、中央図書館計画の遅れについて触れられていたことから、早期実現のために市民の力でできることをと、2000年2月に同会が設立された。
以来、多摩市にふさわしい中央図書館の在り方や必要性、地域図書館や学校図書館、近隣の公共図書館のネットワーク化、大学・企業とのネットワーク化について学習・研究を行い、市民に向けた勉強会や講演会、市議会に早期整備への要望を陳情するなどの活動を行ってきた。
そうした活動もあり、中央図書館の整備事業が進められ、18年8月に基本計画を策定。基本・実施設計を経て今年10月に着工予定だったが、工事等の入札不調による遅れから、23年5月の開館予定に変更となった。
同会では、当初の着工のタイミングに合わせ、これまで主催したイベントの収益や、市民からの寄付を積み立ててきた12万1415円を整備事業に役立ててほしいと市に寄付することを決めた。また、同会のメンバーが多く所属する多摩市文庫連絡協議会に、作者や出版社から『あいうえあそぼう図書館で』(子どもの未来社)、『やとのいえ』(偕成社)の2種類の絵本の寄贈を受けたことから、それを会で購入し、前者を市内公立小学校17校に、後者を公立中学校9校に寄贈した。
同会の寄付・寄贈を受けた阿部裕行多摩市長は「図書館は知識や知を授かる大事で不変な場所。皆さんの気持ちをしっかり受け止め、絵本を子どもたちに届け、中央図書館建設のために役立てたい」と感謝の言葉を述べた。青木代表は「図書館の発展が平和な社会をつくることを信じて、子どもたちの未来が豊かなものになるよう役立ててもらいたい」と話した。
なお、同会では、今後市内の私立小・中学校、都立学校にも絵本の寄贈を行う予定だという。
多摩版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|