小さな布を折ったり、つまんだりしながら花などをかたどり、髪飾りなどを彩る伝統工芸「つまみ細工」。江戸時代から伝わるそのつまみ細工を現代風にアレンジした作品を作り続け、注目を集めている人たちがいる。関戸在住の森田満里奈さんと、府中市在住の丹野牧子さんだ。1月7日(木)から13日(水)まで京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店7階京王ギャラリーで開催される「つまみ細工ときもの展」で2人の作品が展示される。
作者の森田さんと丹野さんは、小学生の頃からの幼馴染み。2人がつまみ細工を作り始めたきっかけは、約2年前。丹野さんの娘が成人式で着る晴れ着に合わせる髪飾りを探していたが、希望に沿ったものが見つからなかった。そこで、自分たち好みのものを作ろうと、本を見ながら制作すると、納得の逸品が完成。娘や友人からも大好評だった。
転機となったのは、そのすぐ後に、今回一緒に展示会を行う大竹たま江さんの着物コレクションのイベントを見に行ったこと。森田さんが着けていた自作の髪飾りが大竹さんの目に留まり、一緒にやろうと誘われた。
そして昨年初めて展示会に参加。そこに来ていたお客さんの要望で、教室を開くと評判が口コミで広がり、着物のスタイリストから撮影で使わせてほしいと依頼を受けた。すると今年の新春特番で女優の広瀬アリスさんが髪飾りを着けて出演し、作品がTVデビュー。また、海外に住んでいる友人に作品を送ると、SNSでアップされ、瞬く間に海外で注目を集めるようになり、パリで開かれている日本文化の総合博覧会「JAPAN EXPO WABISABI」の2021年の出展依頼も受けた。
「見よう見真似で自分たち流に作ったら、かわいいのができて楽しくなって。伝統文化ではあるけど、今風にアレンジして、普段使いしやすいようにと独自の作り方をしています」と笑顔で話す森田さん。今回の展示会でも、髪飾りなどの他に、現代風にアレンジしたピアスやブローチなど約20種類の展示を行う。
魅力は自由自在に好きな形を作れること。「着物の切れ端や、おばあちゃんやお母さんが大事にしていたけど使わなくなった着物などをリメイクして、取っておくこともできるのも良い」と話す。作品がいろいろな所で注目され始めたものの、変わらないのは作品づくりへの思い。「一つずつ思いを込めて作っている。世界にひとつだけのものを作っていきたい」と抱負を語った。
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