新春にあたり、本紙では阿部裕行・多摩市長へのインタビューを行った。昨年1年の市政の振り返りと共に2022年について阿部市長は言及。コロナで打撃を受けた市内経済の喚起策にも触れた=昨年11月26日取材。
――どんな1年だった
「昨年も新型コロナウイルスの対応に追われた1年だった。20年の年末から感染拡大が再び広がり、成人式もオンラインで実施することになってしまった。その頃は夏に東京五輪・パラリンピックが開催できるか不安だったことを思い出す。ただ、実際は市民の皆さんの努力や多摩市医師会と共に対策をスピード感もって進めることができたことで、市内の感染拡大を最小限に食い止めることができたと思う。共に取り組みを進めてきた市医師会との関係性をより一層深められたのは今後の市の医療体制を考えた時に大きいことだった」
「昨年を振り返るにあたって五輪パラも忘れられない出来事の1つ。自転車のロードレースが多摩を通過した。また、五輪パラに出場したアイスランドの選手団が市内で調整して大会に挑んだことは感慨深い。市民は思うように観戦できなかった部分もあると思うが、自国開催であり、選手たちの熱気を身近に感じることができたのではないか。そして、この経験をどう生かしていくかが大切だ。五輪競技が行われた記念となる自転車に関するイベントを開催したり、アイスランドとのつながりを深めていくなど、昨夏の経験をレガシーとして多摩の発展につなげていきたいと思う」
「一方で、市制施行50周年を迎えた年でもあった。それに合わせ、周年事業を進める実行委員会の若い人たちが多摩のビールをつくってくれた。聞けば、市民みんなで乾杯したいという思いのもとつくったそう。コロナの感染が収束していないなか、昨年は実現できなかったが、今年につながる街の目標をつくってくれたように感じる。多摩産の作物をつかった第2弾のビール構想もあるという。ぜひ、今年は市民みんなで乾杯したい」
立て直しも
――コロナで落ち込んだ市内経済の立て直しも必要と
「そうだ。一昨年から実施しているキャッシュレスで買物をするとお得になり、市内店舗に足を運ぶきっかけになるキャンペーンを実施してきた。現在開催中の第4段は1月31日まで行う。また、新たな試みとして多摩センターエリアを始めとする市内全域への店舗などの誘致を強化していく予定だ。100万円を上限にして、多摩へと来てくれた店舗などには支援金を出していく考え。コロナ禍でテレワークの活用が進むなど、郊外での生活が見直されるなか、多摩も注目されている。外に向けたPRも積極的に行っていきたい」
――パルテノン多摩がリニューアルオープンするなど、今年は明るい話題が多い
「パルテノンのリニューアルは個人的にも楽しみ。市だけでなく、多摩地域全体の文化拠点になってくれればと思う。ただ新しく生まれるものだけでなく、これまで進めてきたことにも目を向けていきたいと思う。例えば、多摩ニュータウンの再生などは重要課題の1つ。また、20年に表明した「気候非常事態宣言」は地球をあげての最重要課題だ。自治体として気候危機を訴え、地球温暖化対策に取り組むことは多摩の存在を示すことにもつながる。電気自動車の活用など、他の自治体よりも先行して実施していければと思う」
始まりの年に
「50周年を迎え、市のこれからの目指す方向性を示すブランドビジョン『くらしに、いつもNEWを。』を昨年発表したが、このビジョンには街の様々な課題を新しいアイデアと技術によって解決していきたいとする思いが込められている。市民一人ひとりのくらしをそれぞれの個性を生かしながら『NEW』に――。今年をその始まりの1年にしていきたい」
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