多摩市内にある約50の店舗で構成される多摩料理飲食組合・会員店舗の苦境が続いている。組合の五十嵐肇会長によると、 新型コロナ対策が解け、深夜までの営業が可能となっておよそ4カ月が過ぎた現在も客足が戻らない店が多いという。
組合会員店舗は聖蹟桜ヶ丘や多摩センター駅近くで営業する飲食店を中心に構成され、ほとんどが個人店。組合はこれまで所轄の南多摩保健所と連携し、食品衛生に関する情報を各店に提供するなど、会員店舗の営業を支えてきた。コロナの感染が広がってからは五十嵐会長ほか、組合役員で各店をまわり、対策の情報共有にも努めてきたという。
ただ、このおよそ2年間は営業時間の短縮や休業を余儀なくされることが繰り返され、その影響で廃業する店舗はほぼ無かったというものの、客離れに悩む店が「大半だったのでは」と五十嵐会長は振り返る。
そして、今年3月下旬に市内飲食店も時短営業が解け、以前のように深夜まで店を開く会員が増えていったが、在宅で仕事をする人が増えたことなどにより、飲食店の売上を大きく占めるサラリーマンの来店が激減。夜、宴会が開かれることも少なくなり、五十嵐会長は「みなさんの生活習慣が自粛期間などを経て変わってしまった。以前のような形には当面戻らないのではないか」と渋面をみせる。
そして、「コロナの対策期間は協力金が支給されたが現在はない。時短営業期間よりも経営が苦しくなった飲食店は少なくないと思う」と力なく話す。
見通し見えず
立川市を拠点とする多摩信用金庫のシンクタンク「たましん地域経済研究所」が発表するデータをみると今後も当面、改善は見込めないようだ。多摩地域の中小企業の景況感についての調査資料(2月から3月)で飲食店を含む小売業は「悪い」を示し、今後の見通しもコロナの変異株の感染拡大や原材料の価格上昇の影響が広がるなかで、「悪い」ままの状態が続くとみている経営者が多いようだ。
対策徹底「利用して」
それでも五十嵐会長は「当組合会員の店にはチェーン店では味わえない味がある。コロナの感染が再度増えつつあるが、会員は対策をとって営業している。多くの方に利用してもらいたい」と話している。
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