今年5月に精神保健福祉ボランティアあいぽっけの会長に就任した 横岡 勝三さん 沼目在住 75歳
「やるならちゃんと」
○…うつ病や統合失調症など、現代人に増えているという「心の病」。それを少しでも支えようと活動する精神保健福祉ボランティア。初代会長を務めた後、会を離れるも縁あって再度活動に参加。5月の総会で2度目の会長となった。「離れたことで分かることもあった。相手が何をしてほしいかを考える事が大事。一つひとつ確認しながらやっています」と意欲を燃やす。
○…「私たちのポケットは小さいけれど、愛はいっぱいあります」。そんなメンバーの言葉から「あいぽっけ」は名付けられた。現在、精神保健団体は市内に1つだけで、同会の人数も全盛期の約半分に。平均年齢も60代後半となり、存続の危機が頭をよぎることもあるという。毎月のミニサロンをはじめ、精神保健基礎講座も実施。道灌まつりなどにも出店し、会のPR活動も行う。会長として初のミニサロンもすぐ。周知とメンバーを増やすことはもちろんだが「小回りが利いて良い」と現状を前向きにとらえている。
○…「定年したら何をしよう?」。それがボランティアを始めたきっかけ。いくつかの講座を受けて、一番、惹きつけられたのが精神保健福祉だったという。今では丸1日活動すると、どっと疲れが出ることもあるが、「ほどほどでなく、やるならちゃんと」が信条だ。ボランティアに携わり、街で困っている人に自然と声を掛けられるようになった。「自分も成長することができました」と笑う。
○…青森県生まれ。故郷で10年間を漁師として過ごし、転職を機に伊勢原へ。「もう50年近く住んでいます。でも、生まれ故郷を忘れることはないですよ」としみじみ。趣味は読書だが、活動に集中で、読めない本が山積みだとか。「ボランティアはやらせていただいているもの。一日一人、当事者に会えるようにしたい」と、時間を作っては作業所を訪ねていくことも。ありがとうの気持ちを常にポケットに入れて活動している。