第29回日本詩人クラブ新人賞を受賞した 川井 麻希さん 高森在住 39歳
残したい思いを詩に
○…日本を代表する詩人・西条八十を理事長に、日本の詩人たちが詩や出版の自由の擁護などを目的に1950年に発会した日本詩人クラブ。昨年自費出版した初の詩集『あらゆる日も夜も』が同会会員らから評価され、このほど新人賞を受賞した。「候補の時点で嬉しくて、周りの人に言って回った。期待はしていなかったのでびっくりした」と喜びを話す。
○…中学生の頃から手紙を書くのが好き。人生山あり谷あり。思いのたけをブログで発信するうちに「良い詩ですね」と思ってもみなかった評価を受けた。自分の文章が詩なのかを判断してもらおうと25歳の時、詩の専門雑誌に投稿すると見事入選。以来毎月投稿するようになったという。作風は伝えたいというメッセージと、きれいな景色などの瞬間を切り取るのが特徴。「いつか詩集にできればと書きためてきた。言葉について考えるのも好きで、音にもこだわりがある」と微笑む。
○…愛媛県生まれ。物語や英語が好きで同志社大学英文学科へ。卒業後塾講師を経て高校の英語教諭に。26歳の時、友人に誘われ横浜へ転居。都内の文藝学校で2年間詩を学んだ後、座間市内の高校で再び教諭の道に。現在は相模原市内で教壇に立つ。「生徒一人ひとりと向き合い、理解するように努めている。英語や日本語にかかわらず、言葉を大事に、正しく伝わる言葉を探すことを教えています」。
○…周囲に流されない芯の強さがある。「曲がったことが嫌いで、自分が納得しないと嫌なんです」と笑う。「細く長く、書くことがなくならないような生き方をしていきたい。詩は趣味ではなく、残したいという欲求なんです」と笑顔で話した。8年前に結婚を機に伊勢原へ。現在、夫と小学1年の息子と3人暮らし。