東日本大震災 一人ひとりが備えを 市消防局 被災地へ派遣
横須賀市消防局は3月25日までに、東日本大震災の被災地へ向けて5陣44名を派遣した。2陣の責任者として派遣された同局の山森誠消防司令に話を聞いた。
2陣は3月14日、仙台市宮城野区に到着。翌日から同区の港地区で、行方不明者の捜索・救助にあたった。3〜4mの津波が襲った街は、もとの姿を留めないほど破壊されていた。余震が相次ぎ、津波の危険もある中での難しい活動。隊員たちは地面を覆う油やヘドロと格闘しながら、3日間の任務を終えた。3陣と交代し、18日には横須賀に戻っている。
同局の災害派遣は、95年の阪神大震災、04年の新潟県中越地震に続いて3回目。阪神大震災以降、広域防災応援体制が全国レベルで整備されていたため、今回の迅速な派遣につながった。
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横須賀に地震や津波が襲ったら、どう対処したらよいのか-。山森司令の話をもとにまとめた。
まず、「公助(行政の救援)」が行き届きにくい大災害で大切なのは「自助(自分の身を守ること)」だ。災害が起こったら、防災無線を聞き、冷静に避難行動をとる。避難場所は、市で発行している「津波ハザードマップ」等で確認しておく。とくに津波では、頑丈な建物の屋上に避難するなどとっさの判断も必要となる。
次に、「共助(近隣住民との協力)」も重要だ。見知った住民がいれば、避難生活で助けあえるし、心の支えにもなる。市内のほとんどの町内会・自治会には自主防災組織があるので、それらの防災訓練にも参加しておくと良い。
原子力空母が配備されている横須賀。市民は原子力災害に対しても危機感を持っている。市では、国や原子力安全委員会の指針に基づき、安定ヨウ素剤を配備するなど万が一に備えている。市危機管理課は「小学校に配布している資料などで、放射線への正しい知識を得てほしい」と話した。
私たち個人の備えはどうか。山森司令は、「まずは食料。特別に用意せずとも、水や菓子などを決まった場所で保管するだけでも十分」とし、「防災への関心が高い今こそ、市民防災センター『あんしんかん』(小川町)などで防災知識を高めてほしい」と呼びかけた。
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