新年度も始まり、各学校ではPTA委員を決める時期。これまで3回に渡って「PTAのいま」を探ったが、戦後に誕生したPTAという組織も、時代を経てその役割も変化している。そんなPTAの「これから」を、横須賀市PTA連絡協議会の矢口さをり会長に聞いた。
「今こそ地域力」-相互に育てあう環境づくりを
横須賀市PTA連絡協議会では昨年、子どものインターネット・携帯電話の利用実態や有害サイトの現状を知る「インターネット・ケータイ問題対策委員会」、図書館活動をサポートする「学校図書館ボランティア活性化委員会」を立ち上げた。「学校や子どもを取り巻く環境は変わっている。例えば、ネット利用に関して親がどこまで理解しているのか…など、親自身も学ぶ機会が必要だと思う」と矢口会長は話す。
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「何回も学校に出向かなければいけない」「仕事をしているので昼間の時間帯に活動するのは無理」―委員を敬遠する理由は、時間の拘束が大きい。一方で「学校現場を知ることができてよかった」「良い経験になった」という感想もある。活動内容の可視化やボランティア参加の充実などで、委員の負担軽減や効率化に力を入れる学校も出てきた。ひとくちにPTA活動といっても、登下校の見守りやイベントなど、分かりやすく目に見える部分だけではない。それらも含めて、「学校・子ども・地域を知るきっかけのひとつ。できるときに・できる形で、と負担に思わないでほしい」。
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学校の歴史や地域性などもあり、PTAの特色や課題はさまざまだ。必要・不必要の意見も、個人の価値観や必要度によって変化する。「PTAの在り方」が議論されるのは、当然の流れかもしれない。先の震災時、集団下校となった市内のある中学校では、普段から行ってきた地域連携の協力体制が生きて、スムーズに下校させることができたという。「こうしたケースもあり、学校・教員・子ども・家庭と地域が相互に育てあう環境づくりという視点も必要だと思った」と会長。
市外では、近年「PTCA」という組織づくりを始めた地域もある。地域(コミュニティ)を絡めて、学校・子どもをサポートしよう、という考えだ。また、PTAを廃止し、保護者を中心とした「地域本部」を作った都内の中学校のケースもある。運営方法などの見直しなど、柔軟な対応が求められている中、「今こそ地域力」―と、従来の形にとらわれず、地域の力を学校に生かす手法を、各所が模索している。 ―連載終わり
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