バレー構想で市内初進出 ITベンチャーが汐入に事業所
横須賀市が地域経済活性化の起爆剤として取り組む「ヨコスカバレー構想」で、タイムカプセル株式会社(岐阜県大垣市/相澤謙一郎代表取締役)が、同事業に関連して初めて市内に事業所を開設した。同社は今月から、汐入の谷戸地区にある空き家を活用し、開発拠点として事業所兼住居を構えている。
ICT関連企業(情報通信分野)のUターン・Iターンを誘致し、市内の経済活性や雇用につなげる「ヨコスカバレー構想」。今年6月に市内で行われた「キックオフセミナー」には、市内外から若手起業家らが訪れた。市は、YRPを筆頭に、横須賀市全域をICT企業が活動しやすい場所としてPRした。セミナーを契機に、事業所を市内に構えたのが、スマートフォン用アプリ開発事業などを行う、タイムカプセル株式会社。8月上旬には「横須賀第一アプリ工場」として汐入町の空き家を使い、事業所を設立。横須賀での活動を本格化させている。
谷戸で働く「おもしろさ」
汐入駅前から細い路地と階段を上ること10分。見下ろせば海が見える谷戸地区が同社の新拠点だ。「アプリ製作など情報通信の分野は、パソコンが繋がっていれば、全国どこでも仕事ができる」―市内走水出身の相澤社長は話す。地域情報誌の新規事業などに携わり、起業支援を積極的に行う大垣市で2010年にIT会社を立ち上げた。現在は、横浜F・マリノス公式アプリの開発・運営をはじめ、アプリ講座や若手クリエーターの人材育成などを手掛けている。横須賀で拠点を構えるきっかけは、地元出身のベンチャー企業家との勉強会で感じた「横須賀に貢献できる事業がしたい」という想い。市の『バレー構想』と『空き家事業』は、ITベンチャーにとって魅力的に感じたという。
「坂や階段はあるが、駅から近く家賃も安い。初期投資も少なくて済む。若いクリエーターにとって、自然に囲まれた環境はいい刺激になる」。相澤さんは「谷戸は新しいビジネスが生まれる場所になりうる。逆転の発想で、新しい働き方の提案ができれば」と話す。今後は、市内でアプリ開発の講座なども行っていく予定だ。
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