早朝体操は睡眠中に内臓に集まる血液を、全身に早く循環させ、脳や体を活性化させる効果がある。市でもラジオ体操普及は進むが、ひと工夫加えて健康体を目指す団体がある。
朝日がまぶしい午前6時半、横須賀文化会館前の駐車場に、高齢者が続々と集まり始める。「おはよう」「今日は涼しいね」―。「グッドモーニング体操の会」のメンバーは挨拶を欠かさない。
平日の朝は毎日30分間、独自の体操で体をほぐす。考案したのは市内の学校で50年近く体育教諭を務めた田中靖和さん(70)。駐車場の柵を使って、片方の足に負荷をかけて足腰を鍛えたり、建物の壁を使いながら姿勢を矯正する。加齢とともに衰えやすいポイントに絞った、高齢者向けのプログラムだ。
発足は25年ほど前。平均年齢は約80歳で最高齢はなんと92歳。約30人のメンバーほぼ全員が毎日出席している。「早起き体操が体に良いことは私たちを見ればわかる」と笑い飛ばす参加者ら。その足取りはしっかりとしており、背筋もきちんと伸びている。毎回顔を合わせていくうちに、友達の輪も広まっていき、カラオケサークルなどもできた。
病気の改善につながったという声もある。西野誉彬(やすあき)さん(68)は長年パーキンソン病を患わっており、手が震える症状に悩まされてきたが、毎朝参加するようになってから、症状が軽くなったという。「それまで箸を使うのも難しかったが、明らかに変わった」と話す。担当医からも、継続して行う体操が良い影響を与えている可能性があるとの見解だった。
メンバーの紹介で今回初めて参加した渡辺登美枝さん(72)は血圧を安定させる薬を服用している。体調は整うが、医療費がかさむ現状に「薬に頼らず健康な体を維持したい」と感じて顔を出した。今後も継続して参加する意向だという。
[この連載では横須賀で行われている朝活を紹介しました]
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