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市民が挑む"三浦和紙"作り 「社会参加のきっかけに」

コミュニティ文化

掲載号:2022年3月18日号

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蒸した枝から皮を削る作業を行った
蒸した枝から皮を削る作業を行った

 日本伝統の手漉き和紙文化を守り、オリジナルの"三浦和紙"を作ろうと、市民有志が下宮田矢作区を拠点に取り組んでいる。原材料のコウゾ(楮)を育て始めて丸3年。3月7日には試作のため、刈り取りしたコウゾの下処理作業が初めて行われた。メンバーは「ゆくゆくは地元の子どもたちに和紙製の卒業証書を渡せたら」と意気込んでいる。

 活動のきっかけは、2019年。角田鳶土木の角田義行さんと小杉農園の小杉智さんが訪れた寺院で、和紙の原料となるコウゾの祈祷を受けていた木南有美子さんとの出会いだった。木南さんは手漉き和紙の普及とそれを通じた社会貢献活動に取り組むNPO法人PIARASの代表で、話を聞いた2人は「三浦でコウゾ栽培できないか」と興味を持ったという。翌月には苗を譲り受けて植栽。最初はうまく根付かず1株を残して全滅する失敗もあったが、その後は順調に育ち、今冬は大量のコウゾを収穫することができた。「一般的に山間部で栽培されるため、海に近くミネラルを含んだ土と風でどう育つかチャレンジだった」と木南さんは話した。

 グループ名を「三浦手漉き和紙を学ぶ会」と名付け、3月7日には初めての試作に取り組んだ。約15人の参加者は、釜でコウゾを蒸し、皮をむく作業を体験。紙製品のデザインなどを手掛けるクリエイターの小木久美子さんと砂山恵美子さんは、「貴重な体験で紙の大切さを改めて感じ、作品のインスピレーションももらった」と感想を話した。

 角田さんらは、和紙作りの場が年齢や性別、職業の異なる市民が集まる新たなコミュニティーになると期待。「楽しみながら社会参加のきっかけになったら」と展望を語った。

 この日下処理をしたコウゾは、栽培協力を受ける埼玉県小川和紙の久保製紙に送られ、試作品の完成を待つという。

 今後は品質のよいコウゾ栽培ができるよう試行錯誤し、紙漉き工程まで完結をめざす。地域に根付かせることが長期的な目標で、「例えば学校と連携し、卒業証書に和紙が使ってもらえるようになれば」と参加者は意欲を見せた。

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