能登半島地震から3カ月が経過しようとしている。被災地では、地震発生から数日でトイレ環境が悪化したことが各メディアで報道された。タウンニュース社では、県下33市町村を対象に災害用トイレの備えをテーマにしたアンケート調査を実施。同じように半島に位置する三浦市では十分なのか、取材した。
避難者想定2万5千人
アンケートは2月26日から3月6日に実施し、災害トイレの備蓄や種別、避難者想定、市町村独自ガイドラインの有無などについて尋ねた。
ガイドラインについて「ある」と答えたのは、横浜、小田原、松田、開成、箱根の2市3町のみにとどまった。
内閣府では「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を示している。これによれば、過去の災害での仮設トイレ設置状況や国連などによる基準を踏まえ、排泄回数は1人1日5回と仮定。トイレの個数目安は災害発生当初が避難者約50人当たり1基、その後避難が長期化する場合には約20人当たり1基、携帯・簡易トイレは避難者想定の3日分とされる。国や県からのプッシュ型支援が交通事情で遅れることも見込み、自助・共助を呼びかけている。
「仮設」「簡易」「携帯」「マンホールトイレ」など備蓄する種別や根拠は、地震想定調査や地域防災計画など自治体ごとに異なる。防災危機対策室によると、三浦市には便座に袋をかぶせて使う携帯127基のほか、市民センターや小中学校など避難所に備える仮設トイレ17基、同組立式78基(いずれも汲み取り)があると回答。相模トラフ沿いで最大クラスの地震が発生した場合の避難者数は2万5960人と想定しているが、先の国の目安と照らし合わせると「限られた財源の中で用意しているが、現状は足りていない」と話す。
ただ、その上で「自宅や避難所となる施設で便座が残っていれば、袋を変えて用を足すことができる」とも。市ではカインズやクリエイトエス・ディーなど、市内に店舗のある民間企業と物資供給に関する協定を締結。災害時には袋を含む生活必需品が手に入る。
その他の課題としては「災害用トイレは現在、旧消防本部付近の施設で一括管理しているが、避難所は三崎地区30ヵ所、南下浦地区17カ所、初声地区20ヵ所と点在しており、災害時には道路が寸断されることなども想定されるため、備蓄の分散化も検討中」という。また「安全性や衛生面、快適性も確保していきたい」とコメントした。
ハザードマップ3月上旬に刷新
今まで記載のあった津波に加え、地震や高潮、土砂など総合的な災害によって想定される被害を反映させた新たな「三浦市防災ハザードマップ」(冊子)が完成した。3月上旬から回覧板などで各家庭に配布済み。
同室は「災害時に自宅が安全であれば、避難所を訪れなくてもいい。冊子の内容を改めて確認し、家の備蓄も準備を」と呼びかけている。
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