9月7日から開催される遊行フォーラム(遊行かぶき)の主役を務める 花岡雪花(ゆきか)さん 六会在住 25歳
感謝の気持ちを力に
○…藤沢を中心に活動する演劇グループ「遊行舎」は、毎年夏に遊行寺本堂で「遊行かぶき」と名づけた演劇を公演している。今年、その舞台で主役を務める。演じるのは「きつね葛の葉」。説教節の名作で、恩返しのために人間の世界へ来たきつね、安倍晴明の母親を演じる。「子どもの頃、母親に言われたことや感じたことを紐解きながら演じている。できれば多くの人に見てもらえると嬉しい」と微笑む。
○…中学生の頃、両親といっしょに公演を見たのが「遊行かぶき」との出会い。お寺という非現実な空間が印象的で、役者の汗や情熱を間近で感じ心を揺さぶられた。大学生になり、「あの役者さんに近づきたい」という憧れでグループに参加することに。最初は思ったように演技をすることができず、泣くことも、辞めようと思うこともあった。「演出の白石征先生や、多くの方に支えられて続けてこれた。みなさんのお蔭」と頭をちょこんと下げる。今は、その協力が自身の力となっている。
○…藤沢で生まれ育つ。一人っ子。幼いころから演じることが好きだったようで、保育園の演劇でも物怖じせず積極的だったとか。小学生で藤沢市民ミュージカルにも参加している。実は「舞台に立つのは恥ずかしい」というのが正直な気持ち。その気持ちを打ち消して演じ続けるのは、来場する人々に伝えたい想いがあるから。「中学生のころに私が感じた感激を、表現できたら嬉しい」と口調が力強くなる。
○…日本舞踊を始めて10年、中学では剣道部で活躍した。礼儀正しく謙虚で、「和」を感じさせる女性。普段は、映画館に勤め舞台で演じるのは、遊行舎の公演だけ。休日は、友達とカラオケに行ったりするのが楽しいと照れ笑いする。「ありがとう」の言葉が好き。本番では感謝の気持ちを届ける演技を目指す。
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