10月8日に50回目の演奏会を開く藤沢市邦楽協会の会長 森中 志水さん(本名・森中勸) 本町在住 73歳
「伝統の音色を後世に」
○…「無事に演奏会が終わってほしい」。本番を目前に控え、どこか楽しそうに語る。今年で50回目という大きな節目。藤沢市邦楽協会の会長として市内の邦楽演奏団体をまとめるほか、当日は琵琶の演奏者として出演し、会を盛り上げる。
○…琵琶を始めたきっかけは仕事の傍ら通っていた夜間高校で詩吟部に入部したこと。顧問が琵琶の先生でもあり、音色を聴く機会が多く、次第にその魅力に惹かれていったという。本格的に習い始めたのは卒業後。藤沢へ引っ越した後、藤沢市邦楽協会へ入会。前会長から3年ものラブコールを受け、8年前から会長職を引き継ぐ。自身の琵琶の腕前はNHKの琵琶コンクールで全国優勝を飾ったほど。現在では全国琵琶楽協会の常任理事も務める。
○…大阪府生まれ。言葉の端々には関西訛りも。中学を卒業後、大手メーカーの開発営業として多くの企業を回った。24歳で結婚、一男一女に恵まれた。35歳の時、東京への転勤を機に湘南台へ。その後藤が岡、弥勒寺などを経て、現在は本町に居を据える。40年余りも藤沢に住み続ける理由を「文化都市や湘南のイメージがかっこ良かったからかなぁ」と笑う。
○…50年以上続ける琵琶の魅力を訊ねると「音の間と余韻によって生まれる幽玄な世界観と、琵琶の弾きと語りを調和させることの難しさが魅力でもある」と目を輝かせる。また、健康の秘訣は、ほぼ毎朝近所の白旗神社まで散歩をして体力づくりをしていること。「健康でいられるのは琵琶と散歩のおかげ」だとか。
○…現在は50周年記念誌作成の真っ只中。「若い人が邦楽に興味を持ち、伝統を受け継いでいってくれれば」と願う。今後は、邦楽仲間たちと一緒に和風オーケストラを作ってみたいという。「継続は力なり。挑戦し続けることが大切」と終わらない夢を力強く語った。
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