10月18日にドイツで行われたブレイクダンスの世界大会で優勝した 小泉佳波(かなみ)さん 渡内在住 15歳
世界制した新星ダンサー
○…「ダンスをやってきて良かった」―。世界一が決まった瞬間、6年間、切磋琢磨してきたパートナーの海夕(みゅう)さんと泣きながら抱き合い、喜びを爆発させた。日本人対決となった決勝戦。奇しくも、互いの戦い方をよく知る先輩ダンサーだった。「仲の良い先輩だからこそ、思いっきりやらないと逆に失礼だよねって。命を懸けるくらい集中して本気でぶつかった」。決勝まで封印していた難技・エアートラックスを見事に決め、歴代最年少で世界の頂点を極めた。「日本を背負っているというプレッシャーもあったので、正直ほっとした」と目を細める。
○…高谷小・藤ヶ岡中を経て、現在は茅ケ崎西浜高校へ通う。幼稚園の頃、姉の付き添いで訪れたダンススクールで「楽しそう」とダンスに夢中になった。ブレイクダンサーとしての片鱗を見せ始めたのは6歳頃から。練習の合間にバック転や側転を器用にこなす姿に才能を見い出され、そのキャリアは早10年になる。
○…連日練習に明け暮れ、ここ数カ月はオフの日は1日も無い。川崎でのレッスンは、深夜2時になることもしばしば。練習場への送迎のほか、自宅にダンス用の大鏡を設置してくれるなど、栄冠の影には家族の献身的なサポートがある。「毎朝起きると『今日もありがとう』って思う。大好きなダンスができることに感謝して一日をスタートしたい」。このたゆまぬ努力と謙虚さこそ、世界一になり得た所以かもしれない。
○…パートナーの海夕さんとは「言いたい事を何でも言い合える姉妹みたいな存在」と、深い絆で結ばれている。幼い頃から数々の大会で活躍し、苦楽を共にしてきた。指導を受けているコーチ・NORIさんを尊敬してやまず、世界の大舞台で活躍する姿に、将来のあるべき姿を重ねる。「あの子たち、やっぱり世界一だねって言われるように、技を磨いてカッコいいダンサーになりたい」。最年少チャンピオンの挑戦は続く。
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