4月1日に30周年を迎える藤沢防犯指導員連絡協議会の会長を務める 馬場 定雄さん 柄沢在住 76歳
「地域のために」が原動力
○…藤沢警察署管内7地区からボランティアが集まり、安全推進活動を行う藤沢防犯指導員連絡協議会。会は30周年、自身も会長として満10年となる節目の年を迎えた。「仲間や地域住民の支えがあって、頑張ってこられた」と周囲への感謝を口にする。活動は街頭での声掛けや、チラシのポスティングなど。地域で発生件数の多い自転車窃盗やひったくり、振り込め詐欺などへの注意を促す内容が中心だ。2013年の市民まつりではパレードにも参加し、広く防犯の大切さを訴えた。会長として日々懸命に活動しても、地域で犯罪が起こり、悔しい思いをすることは珍しくない。「犯罪者を捕まえるのは警察の仕事。自分たちは住民の意識を高め、犯罪を未然に防ぐことが役割」と襟を正す。
○…横浜出身。柄沢には34年前に移住してきた。農協(現JA)の仕事で県内各地を回る中、「藤沢は交通の便が良く、住民の人柄も温かい街で、夢のマイホームを建てるならここだと思った。富士山の眺めも素晴らしいしね」と屈託なく笑う。定年退職を機に、新たな趣味と生きがいを探しに村岡公民館へ。陶芸や篆刻(てんこく)に打ち込み、納得のいく出来栄えになり始めたころに、「ただの自己満足ではなく、もっと他人や地域の役に立つことがしたい」と地区の防犯活動を始めた。熱心な活動を続けるうち自然に周囲に推され、現在は村岡地区防犯協会会長も兼任している。「地域を守ることは、家族を守ることにも繋がる」と口調は力強い。
○…座右の銘は二宮尊徳の教えを表した言葉の「万象具徳(ばんしょうぐとく)」。「あらゆるものに徳はある、全ての人に良さがある」の意で、篆刻で文字を彫り市展に出品したことも。「罪を犯す人も、どこかに良い点を持っていると信じている。防犯は、被害者を生まないためだけでなく、加害者本人が道を踏み外さないよう守ることでもある」と自らを奮い立たせながら、今日も地域を見守っている。
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