湘南緑の連絡協議会の事務局長として「緑地保全サポーター養成講座」を開講する 原 悠樹さん 長後在住 28歳
人と緑、街との結び目に
○…慶應大の博士課程で学ぶ傍ら、「湘南緑の連絡協議会」の事務局長として、会員の取りまとめやイベントの企画・運営まで一手に引き受けている。1年間にわたる「緑地保全サポーター養成講座」の開講を控え、準備に奔走するが、その表情には充足感が浮かぶ。「緑を増やす取り組みと、使われていない緑を有効に活用しながら、いかに後世に残せるかが課題。この活動が次世代へと広がれば」
○…人と緑、街とをつなぐコーディネーターとしてのルーツは幼少期にある。横浜の実家は、排気ガスと騒音がひどい幹線道路沿いだが、庭には梅や桜、ビワ、木蓮などの花々が咲き誇り、物心ついた頃から草花が身近な存在だった。アレルギーと喘息持ちだったこともあり、空気のきれいな森や山への憧れも強かった。「緑や空き地が減っていく中で漠然と、人が住む都市部にこそ、自然が必要だと感じていた」
○…横浜翠嵐高校卒業後、「環境問題をのぞいてみたい」と慶應大・SFCへ進学。街に深く入り込むようになったのは学部4年生の頃から。御所見地区の情報発信の話が研究室に舞い込み、HPやふるさとマップの作成、街歩きイベントに携わった。「里山の風景や植木、直売、どれをとっても魅力なのに、受け入れられず、歯痒さを感じた時期もあった」。縁の無い土地に、いち学生が入り込む労力は相当なもの。その徒労感からここ数年は足が遠のいていたが、先日、吉報が届いた。『HPを見た栃木の街づくり協議会が視察に来ることになったから、情報を更新してほしい』。5年の努力が報われた瞬間だった。
○…やるからには、とことん本気でやる性分。来春、博士課程修了を控え、研究に追われる日々だが、「街に出ること」は忘れない。「地域で埋もれている魅力を抽出しながら、人とのつながりを深め、街の価値を高めていきたい」。第2の故郷ともいえる藤沢で、成し遂げたいことは山ほどある。
|
<PR>