7月20日にはす池観蓮会を行う、はす池の自然を愛する会会長を務める 武井 創さん 鵠沼松が岡在住 49歳
継続の力で蓮池再生
○…蓮沼に鵠(くぐい)(白鳥)が飛来したことが、地名の由来と言われている鵠沼。今では数少なくなった2つの蓮沼(蓮池)の再生に6年間取り組み続け、1つでは初めて蓮の花を咲かせ、もう1つでは初めての鑑賞会を開催する。「諦めずに続けてきた苦労が報われた。私1人ではなくみんなの力でできたこと」と思いもひとしおだ。
○…「ザリガニが釣れない」。池から帰ってきた息子の一言がきっかけだった。外来植物「アゾラ・クリスタータ」は繁殖力が強く、池一面を葉で覆ってしまう。当時の蓮池は、ザリガニはもちろん魚釣りも池で遊ぶこともできない状態。「これでは、子どもたちの遊び場がなくてかわいそうだ」。その日から、朝と昼の空いている時間は池に通い、網で少しずつ草をすくい取る作業を続けた。冬には駆除できたかと思うと春にはまた増殖し、池を覆う。「いたちごっこのようだった」と振り返る。それでも毎日池に通う姿を見て、近所の子どもたちや仲間も協力。葉を取り除くだけでなく、胞子をガスバーナーで焼くなどして完全駆除させた。
○…3歳から鵠沼で育ってきた。幼少の頃、蓮池は学校が終わったら必ず遊びに行く場所。ザリガニの宝庫で、友達と競い合って釣りを楽しんだという。そんな自然を今の子どもたちに残したいという気持ちは強い。一時は「蓮池にとりつかれている」と揶揄されながらも、今では、蓮池は子どもの大切な遊び場で、学校の学習の場、商店街のシンボル的存在になった。
○…職業は針灸治療院の院長。本業の傍ら、鵠洋小おやじパトロール隊、桜小路公園愛護会、藤沢市アーチェリー協会など、様々な地域貢献活動を行っている。そんな活動の何か1つが欠けてもダメなのだとか。好きな言葉は、「千里の道も一歩から」「継続は力なり」。蓮池には藤沢メダカを放流する予定だ。「生き物のオアシスにしたい」。夢は尽きることがない。
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