「江の島おどり」を歌い継ぎ、3月8日の民謡民舞研究発表会で初披露した 富田 房枝さん 本鵠沼在住 64歳
江の島の魅力 歌い継ぐ
○…盆踊りの定番曲「東京音頭」や童謡「しゃぼん玉」など、数多くの作品を残した作曲家、故中山晋平氏が書いた「江の島おどり」を歌い継ぐ。81年前に作られ、日の目を見ることはなかったが、3月8日に市民会館で約100人の有志とともに初披露した。「緊張せず楽しく歌えた。これで第一歩を踏み出せた。多くの人に知ってもらえるように広めていきたい」と抱負を語る。
○…「復活させたい」と江の島観光ガイドを務める堀浩侃さんに声をかけられたのは昨年の11月。中山氏は民謡界でも有名人。「こんな貴重な唄を埋もれさせたままではもったいない」と歌い手の依頼を引き受けた。思い立ったが吉日と、舞台での発表を決め、三味線の楽譜おこし、弟子や関係者らへの唄の指導にも熱を込めた。「純粋な民謡というよりも、メロディーが軽やかで覚えやすい」。耳に馴染み広まりやすいと感じている。
○…本鵠沼で生まれ育つ。中学1年生から、家の2階で開かれていた民謡教室に興味を持ち参加。三味線を弾いても唄を歌っても、大人たちが「ほんと上手ねえ」と褒めてくれたのだとか。「それにのせられて、民謡をやってみようと決めたの」と笑う。25歳でNHKのオーディションに合格。レコード会社と契約しプロの民謡歌手に。テレビやラジオ、各地のイベントで歌声を披露する。自身の教室・藤房会には100人を超える弟子を抱える。「その土地の魅力が歌詞に入っていて、伝統の風習や文化を語り継ぐもの」と民謡の奥深さを語る。
○…夢は、千人以上が踊る熊本県の伝統行事「よへほ節」のように「江の島おどり」を広めることだ。「江の島の代名詞になるような曲に」と目を輝かせる。自身が歌い続けている藤沢の民謡には、「遠藤盆唄」や「片瀬餅つき唄」などが代表的。新たに、江の島も加え藤沢市の魅力を歌い広めていく。
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