藤沢市文化団体連合会の会長に就任した 長田(おさだ) 華鳳(かほう)さん 辻堂新町在住 62歳
楽しく生きてこそ文化
○…華道や茶道、謡曲、日本舞踊などの伝統芸能をはじめ、写真や美術といった芸術活動をする、市内11団体で成り立つ「藤沢市文化団体連合会」。4月の総会で6年ぶりの新会長として選出された。「受け継がれてきた文化を後世に伝えていく、本来の活動目的の柱を見失ってはならない。敷居を高くせず、『私生活をもっと楽しくするものが文化』と伝えることこそが、我々プロの仕事」。弾ける笑顔を見せ、気さくに話す。
○…「このまま行動せず、伝統文化がなくなってしまうのはもったいない」。展覧会や発表会など5つのメーン行事に加え、文化・芸術にかかわる人の裾野を広げたいと昨年、所属団体が一堂に会して一般参加者に和楽器演奏や野点などを体験してもらう「ワクワク体験ひろば」を立ち上げた。2回目の開催となった今年、1000人以上が集まり、評判も上々。「イベントで伝統芸能や芸術に触れた子どもたちが、1人でも多く興味を持ってくれたら」と未来の担い手にラブコールを送る。
○…生まれも育ちも辻堂。10歳の時から母に華道を教わり、現在は「池坊鳳秀流」家元として市内のみならず県外でも精力的に展覧会を開いている。華道の魅力は「『花は手で生けるものではなく、足で生けるもの』といわれるように、自ら毎回動くことで、自然や人との新しい出会いが生まれるところ」と目を輝かせる。来年は江の島全体を舞台に芸術分野の垣根を越えたアート展を計画するなど、枠組みにとらわれず、エネルギッシュに芸術を全身で楽しむ。
○…伝統芸能には「古臭くて堅苦しい」という先入観が今も根強いが、「それは日本人としてのアイデンティティを自ら否定してしまうこと」と危惧する。「最近は海外から日本の文化が評価され、改めて良さに気付かされている」と明るい展望を語る。先を見据え、制作と広報活動を日々新たな冒険として突き進む。
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