福島や宮城の農作物や加工品を販売する 小島 晴美さん 辻堂在住 55歳
応援に終わりなし
○…東日本大震災から5年の月日が流れた。支援が薄れゆく中、少しでも力になりたいと、被災地の農作物や農業加工品を販売する店舗を開いて支援を続けている。経営の知識もなく、「応援したい」思いだけの見切り発車だったが、今では約10坪と小さな店内には、福島や宮城の野菜、果物、米などの農作物、ジャムやジュースなどの加工品が並べられている。「風評被害はまだ続いている。安全でおいしいということを伝えていきたい」と話す。
○…被災地の農家が風評被害を訴えるテレビ番組を見たのがきっかけで応援を始めた。ネットショップで農作物を購入し、市内の復興支援ショップへも毎日のように通った。「どうせお金を使うなら」と休みがあると福島へ観光に出かけ、農家にも話を聞いた。2年前にその復興支援ショップが閉店したことで「売り場所を作りたい」と藤沢駅北口のダイエー近くに店を持った。送料などがかかるため野菜などの値段は高め。それでも「売ることは大切だけど、農家の人々のことや検査のことを説明することで、分かってもらえたら嬉しい。そうして少しずつ風評被害が減っていけばいい」
○…生まれは東京。実家は洋服店を営み、人との出会いが多かった。若いころから「人の役に立つことを」という思いが強く、特に児童養護に興味があったという。結婚や子育てを経て、10年前から障害児の里親に。「勝気な性格で、手が抜けない」と熱心に活動し、現在は湘南大和里親会の会長も務めている。
○…店舗は趣旨を理解してくれる人が増え、昨年4月からは、夫の俊哉さんも協力して店に立っている。嬉しいことは、店をたびたび訪れる被災地の農家の人々が「あなたの支援で、あきらめずに農業を続けてこられた」と感謝してくれること。「まだまだ道半ば。私たちの活動は地道だが着実に思いを伝えられる。これからも変わらず応援し続けたい」とほほ笑んだ。
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